気になる疑問やニュースのナゼ?を解き明かす「どうなの?」。
東京・銀座の商業施設「GINZA SIX」で25日、男がスプレーを噴射した傷害事件。
男女29人が体調不良などを訴えていて、男は現在も逃走中です。
27日に扱うのは、事件の直後に拡散された、あるSNSの投稿についてです。
事件が発生したのは25日正午ごろ。
そして同じ日の午後6時半ごろ、Xに「GINZA SIXにて催涙スプレーをまく男の映像が公開されました。この男性の動機が気になります」という文章とともに、リュックを背負った男性が複数の人に向けてスプレーのようなものを噴射する動画が投稿されました。
あたかもGINZA SIXで起きた事件の様子と思わせるかのような内容で、動画は確認できる範囲で1500回以上再生されていて、現在、この投稿は削除されています。
安宅晃樹キャスター:
この文章と映像を見て率直にどう感じますか?
榎並大二郎キャスター:
投稿した日時とか投稿内容もそうだし、GINZA SIXという具体的な施設名も出ていて、明らかに今回の事件とひもづける内容ですよね。
安宅晃樹キャスター:
そう思ってしまいますよね。犯人の男は今も逃走中なんですが、真偽不明の情報が拡散されているわけなんです。
そこで、27日のどうなの?は「“逃走男”は外国人?臆測情報の真偽を検証」と題して、ファクトチェックをしていきたいと思います。
今の動画は別のアカウントの動画を引用したものなんですが、他にも先ほどの動画を引用した投稿があったので見ていきます。
どのような形で投稿されていたかというと、投稿文には「GINZA SIXで催涙スプレーをまいて外国人が逃走中だが」としたうえで、「こちらは2026年4月30日の広州地下鉄3号線で、車内で男が無差別にスプレーを噴射し乗客がパニックになる様子」として、さらに「日本の治安、どんどん悪化してない?」というような形で投稿しているんです。
この投稿は“動画はあくまで中国で起きたもの”としつつも、文章の中で「日本の治安が…」と、ちょっと含みを持たせるような表現だったというわけです。
この投稿は470万回以上再生されていて、6600件以上の投稿、引用されているんです。
この投稿を受けてどのように反応があったのかというと、700件近いコメントがありました。
中には「広州っていつから日本になったの?」と、これをひも付けていることに対して疑問視するような声もある一方で、「また外国人か。強制送還すべき」などと、今回の事件の犯人を外国人だと決めつけるようなコメントも見られたわけなんです。
遠藤玲子キャスター:
この投稿に関しては広州だというふうに書いていて、動画がGINZA SIXと関連づいているというふうには、しっかり読めば分かるんですが、ただ一方で何となく誤解を招くような表現もありますし、ここからさらに拡散されて事実が変わっていっちゃう、そういう恐れはありますよね。
安宅晃樹キャスター:
そうなんですよね。なので今回、「イット!」は事件現場と投稿動画の違い。また、銀座の事件で分かっている犯人に関することを調べました。
まずは、投稿された動画と銀座の事件現場の様子、その違いを見ていきます。
SNSに投稿された映像は狭い空間に座る人たちの様子も映っていて、さらにつり革も確認できることから列車内であることが分かります。
一方で、GINZA SIX内で撮影された映像では、エスカレーターやロビーの前に消防や警察官の姿があり、事件の現場は明らかに建物の中です。
さらに、噴射されたスプレーの色にも違いが。
SNSに投稿された映像は白色のスプレー。一方で、GINZA SIXで噴射された際に壁に付着したとみられるスプレーの色は赤色でした。
映像を比較すると場所や状況、そしてスプレーの違いにも違いがあったわけなんです。このように映像を見比べてみていかがですか?
三宅正治キャスター:
これはもう一目瞭然で、銀座の事件とは全く関係ないと分かりますけど、最初に拡散された投稿の詳細っていうのは分かっているんですか?
安宅晃樹キャスター:
列車内とみられる動画ですが、「イット!」が調べたところ、拡散されていたこちらは4月30日に中国の広州地下鉄で男が無差別にスプレーを噴射した際の映像であるということが分かりました。
ということで、ここまで拡散されている映像が今回の事件のものではないということがまず、分かりました。
そしてもう1つが、逃走した男が外国人なのかどうかについてです。
そこで、警視庁への取材をもとに現在、分かっていることを番組で整理しました。
事件が起きた場所は、GINZA SIX1階にある中央通り側の三井住友銀行銀座支店のロビーです。ここでスプレーを噴射した男は、スプレーを持ったまま逃走したとみられています。
また警視庁では、一部で外国人同士のトラブルがあって、一方がスプレーをかけて逃げたという情報が今、出回っているんですね。そのことは認識しているものの、警視庁として現段階では、犯人の男について日本人と外国人、どちらの可能性もあるとみて捜査中だと。
このような警視庁を取材した結果が得られました。
山崎夕貴キャスター:
まだ分からないことも多いということですよね。ですから今後、身柄が拘束されれば正しい情報も分かってくるということですね。
三宅正治キャスター:
はっきりさせておかないといけないのは、あくまでも現時点では男は逃走中で、外国人だと明言できる情報は何もないと。それを考えると、SNSでさっきあったような外国人だろうという決めつけのような形はちょっと、論理的に飛躍しているという感じがありますよね。
安宅晃樹キャスター:
また、引用を繰り返すことで事実が変わってしまっている側面もあると思います。
ということで、27日のどうなの?は「“逃走男”は外国人?臆測情報の真偽を検証」としてファクトチェックを行ったところ、拡散された動画は中国で起きた別事案の映像で、今回の事件と関連付けるというのは「明確に誤り」です。
また、逃げた男について、現時点では警視庁が国籍を断定せずに行方を追っている段階で、外国人だと断定するSNSの投稿は「臆測」に基づくものといえそうです。