29日から気象庁の防災気象情報が新しくなります。毎年のように災害級の大雨に見舞われる熊本県では、特に正しく情報を受け取る必要があります。そこで、29日からシリーズでそのポイントをお伝えします。1回目は「そもそもなぜ変更するのか」についてです。
突然ですが、まずはクイズです。明治、大正、昭和、平成、令和と続く熊本市の気象観測の歴史の中で1時間に80ミリ以上の「猛烈な雨」を観測したのはどの時代でしょう?
熊本市で猛烈な雨を観測したのはこれまで5回。
そのすべてが2003年、平成15年以降です。
1位は2016年、平成28年6月20日の94ミリ。
2位は去年、令和7年8月10日の87ミリでした。
ということで答えは、平成と令和です。
このように近年、短時間で大雨に見舞われる頻度が増え、災害は激甚化する傾向にあります。
【熊本地方気象台 格内 達雄 防災気象官】
「近年、地球温暖化等を背景に気温が上昇しているのが大雨が増えている要因の一つです。気温が上がると、空気中に含まれる水蒸気量が増えます。空気中の水蒸気量が雨の元となっています。空気中の水蒸気量が増えればおのずと一度に降る雨の量も
増えるということになります」
大雨で起こりうる災害は主に三つです。
河川があふれることによる『氾濫』。
河川の水位が上がり、都市の排水機能が追いつかなくなることで起こる『内水氾濫』。
そして、土の中に含んだ水分が斜面崩壊を引き起こす『土砂災害』です。
気象庁が出すこれら大雨に関する防災情報は以前は『注意報』と『警報』のみでした。
しかし、激甚化する災害に対応するため、2005年から『土砂災害警戒情報』が、
2013年から『大雨特別警報』が新たに設けられました。
さらに、2019年からはこれらの情報に『警戒レベル』を付けるようになりました。
しかし、情報が増えれば増えるほど受け取る側は分かりにくくなり、気象庁に改善を求める声が寄せられていました。
まずここまでのおさらいですが、今の防災気象情報では、例えば土砂災害ですと
下から『大雨注意報』『大雨警報』ときて『土砂災害警戒情報』を経て『大雨特別警報(土砂災害)』となります。
坪井川などの中小河川の洪水だと下から『洪水注意報』『洪水警報』ときてレベル4に相当するものがなく『大雨特別警報(浸水害)』となります。
これが29日金曜日からは『中小河川の洪水』と内水氾濫などの『浸水害』を
まとめて『大雨』とし、これまで『大雨』と『土砂災害』という2つの言葉が混在していた土砂災害の情報は『土砂災害』という言葉に統一しました。
さらにレベル4は『危険警報』という言葉で統一されています。
◆「洪水注意報」「洪水警報」「土砂災害警戒情報」は廃止
27日は「今回の改正で表記されるレベルについてとどう行動すべきか」
についてお伝えします。