先日行われたB2リーグ王者を決めるプレーオフ。東地区2位の福島ファイヤーボンズは、準決勝で東地区首位の信州を撃破。神戸ストークスとの決勝は惜しくも敗れましたが、チーム史上初となる準優勝を掴みとりました。
その躍進の原動力となった2人の選手にお話を伺います。

一人は、得意のスリーポイントを武器にチームを牽引し、平均得点でリーグ日本人3位と「覚醒」の一年を送った中野司選手。
もう一人は、中央大学から加入したルーキーながら、ガッツ溢れるプレーでプレーオフ準決勝を勝利へと導いた「ラッキーボーイ」、小川翔矢選手です。

■「悔しい結果」と「楽しかった経験」
――まずは中野さん、シーズンを終えて今どんな思いでしょうか?
中野選手:はい、この時期までバスケットができるっていうのはなかなか経験できないので、すごく良かったんですけど、疲れました。
――プレーオフを戦い抜いて、いかがでしたか?
中野選手:いや、プレーオフ自体はすごく悔しい結果で終わってしまったんですけど、ファイナルを経験できたっていうのはすごく楽しかったですね。

■HCが語った「自分の利益を考えずにまとまれるチーム」
神戸との試合後、最後のロッカールームでは、ライアン・マルシャンヘッドコーチから選手たちへ言葉が送られました。
「ひとつの目標に向かってあれだけ自分の利益を考えずにまとまれるチームは、そう多くない」「誰一人自分のためだけにプレーしていなかった。それが本当に素晴らしかった」
その言葉を裏付けるように、今シーズンのボンズはチームのアシスト数がリーグ1位。数字にも「チームのためのプレー」が現れています。
――小川さんはルーキーとして入団して、ヘッドコーチの言葉をどう感じましたか?
小川選手:はい。ヘッドコーチもこうやって言ってるんですけど、チーム全員、スタッフも選手も、チームを最優先に考えて動いてくれたので、結果的に準優勝っていう形につながったのかなって思いますね。
――バスケットボールはシュートを決めたら格好いいスポーツです。自分で行きたくなることはありませんか?
小川選手:なります。
――なりますよね。それでもぐっと抑えて、チームのために、と。

■流れを変えた、ルーキーの「果敢なドライブ」
プレーオフ準決勝、信州との第1戦。第2クォーターで最大10点のビハインドを背負い、チームには嫌なムードが漂っていました。
その流れを切り裂いたのが、途中出場した小川選手の果敢なドライブでした。
――あの時は、何を考えてプレーされましたか?
小川選手:流れがちょっと悪かったんで、とにかく流れを変えられるプレーをできればなと思って試合に臨みました。
――中野選手から見ても、大きなプレーでしたか?
中野選手:そうですね。ルーキー選手がこれだけ活躍するっていうのは、普通の選手が活躍する以上に、チームに勢いをもたらすのかなと思います。

このプレーで流れを引き寄せたボンズは、逆転勝利を収めました。

■「覚醒」の一年 初めての移籍と大きな手応え
今シーズンの中野選手なくして、ボンズの躍進は語れません。レバンガ北海道から初めて移籍を経験し、福島でのシーズンが始まりました。
――福島に来ていかがでしたか?
中野選手:初めての移籍だったので、すごく不安はあったんですけど、いい選手、いいコーチに巡り会って、すごくやりやすい環境でできたのかなと思います。
――今シーズン、手応えもありましたか?
中野選手:そうですね、ちょっとずつ自分自身もプレーの幅だったり成長を感じることができたので、それが結果としてB2の得点ランキングで日本人3位という結果になったのかなと思います。

■4000人超の観客が作る空間「鳥肌が立つような感じ」
中野選手、小川選手の活躍もあり、今シーズンはプレーオフのホーム開催、そして決勝進出と、チーム史上初の出来事が続きました。
ホームの平均観客数は4239人と、昨年の倍以上。ブースターの後押しもあって、18連勝という記録も生まれました。
――お二人は、あの空間の中でプレーするのはどんな感触なんですか?
中野選手:そうですね、やっぱりワンプレーワンプレーで盛り上がりがあったりっていうのは、すごく自分たちにとっては大きな後押しになるのかなと思います。
小川選手:いや、最初はほんとめっちゃ緊張して。どうしたらいいんだろうって感じだったんですけど、初めて点を取ったときとかはすごい歓声が上がって、試合中だけど鳥肌立つような感じでした。
――歓声が降りかかってくるような?
小川選手:そうですね、もうそんな感じ。下からも上からも聞こえるぐらい。

■ほぼ全員が新加入「チームの雰囲気がすごく良かった」
今シーズンの選手13人のうち、昨シーズンもボンズのユニフォームを着ていたのはキャプテンの笠井選手ただ一人。ほか全員が新加入という、まさに大変革のシーズンでした。
――その中で中野選手、なぜここまで躍進を遂げられたのでしょうか?
中野選手:本当にいい選手が集まったっていうのはあるんですけど、やっぱりチームの雰囲気がすごく良かったっていうのはあったと思います。悪いときに雰囲気が悪くなることはあると思うんですけど、今年のボンズに関してはそこまで大きな崩れはなかったので。18連勝のときは勢いがあるのは当然ですけど、そこで大きな負けが続かなかったっていうのは、一つそういった雰囲気作りがあったと思います。
――正直、ここまで勝てると思っていましたか?
中野選手:いやー、思ってなかったです。全然思ってなかったですね。
――小川選手は、プロの友人と話す時などに、チームの自慢できる部分はありますか?
小川選手:環境面ですね。飲食店だったり、それこそ温泉とかがスポンサーさんで付いてて、すごい充実してるなっていうのは感じます。
――それは無料で利用できるということですか?
小川選手:そうです。

選手の団結を生んだ良い雰囲気と、それを支える充実した環境が、躍進の理由となったようです。

■Bリーグ「ワン」での新たな戦いへ
来シーズンから新たなリーグが始まり、ボンズはBリーグ「ワン」での戦いに臨みます。
――中野さん、バスケットボールがますます盛り上がりますね。
中野選手:楽しくなると思います。
――最後に、小川選手はどんな来シーズンにしていきたいですか?
小川選手:はい。今シーズン以上にプレータイムを勝ち取って、少しでもチームに貢献できればなって思います。

大きな飛躍を遂げた福島ファイヤーボンズ。来シーズンのさらなる活躍に期待です。

福島テレビ
福島テレビ

福島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。