中東危機を境に一変したというある光景。
鍵付きの部屋で厳重に保管されていたのは、家の塗装などに使われるシンナー。
塗装会社にとって、ナフサ不足の今、絶対に盗まれてはならないのだと語ります。
しかし、みらい美装・佐々木大輔社長は「つくばみらい市内でも盗難が発生してしまったという…。(これは)原材料“ナフサ100%”とも言われているので…」と話します。
今、列島各地でナフサ由来の製品が盗まれる事件が続発。
ナフサ窃盗の被害を防ごうと、関係者が対応に追われる事態になっています。
熊本県の北部に位置する、ミカン栽培などが盛んな玉東町。
これまで盗まれることなどなかったあるものが、初めて盗まれたのだといいます。
それは、約700個のコンテナ。
盗難被害にあったヤマト青果・狩野勝次代表:
ここにトラックを横付けして、手で人手で積んだと思われる。
ミカンなどの農産物ではなく、農産物を入れるコンテナが盗難被害に。
1個あたり現在の価格で1300円を超え、被害は総額で約100万円に及ぶといいます。
そんなコンテナが盗まれた理由。
プラスチックでできたコンテナは、石油製品のナフサがなければ製造することはできません。
しかし、狩野さんによると「もうナフサが手に入らない状態で製造が今できない」といいます。
窃盗犯はこの先のコンテナ不足や値上がりを見越して犯行に及んだのでしょうか。
狩野さんが警察に被害届を提出すると、その後、盗まれたとみられるコンテナは、隣町の農家がフリマサイトを通じて購入したとみられることが分かりました。
フリマサイトでコンテナを購入した農家:
1個250円で60個程度(購入した)。(相手は)1人で持ってきて、相手側から営業された。「まだありますけど、どうですか」と。
安かったこともあり、コンテナの追加購入も考えていたといいます。
ところが、地元でコンテナ窃盗の件が報じられると、「突然連絡が来なくなって…。(フリマサイトで出品者の)アカウントを開いてみたらなくなってた」と話します。
この農家は警察に「盗難品ではないか」と届け出たといい、警察が捜査をしています。
次に「イット!」が向かったのは、茨城・つくばみらい市。
4月下旬、塗装会社から一斗缶8個程度のシンナーが盗まれたということです。
ナフサ不足の影響で欠品や値上がりが伝えられる塗装用のシンナー。
窃盗事件を受け、市内の業者は対応に追われていました。
みらい美装・佐々木大輔社長:
ここ厳重に(カギかけ)。(シンナーは)今はもう、注文しても全く入ってこないので。現場に出払っている分もあるが、在庫としてはこれだけ。
今残っている20缶程度のシンナーがこちらの業者にとっての命綱。
これまではシャッターがついた倉庫で保管していましたが、それでは盗まれる危険性があると、保管場所を変えたのだといいます。
みらい美装・佐々木大輔社長:
(シンナー不足について)塗装業界にとっては死活問題。(ナフサが)一時期どこかで目詰まりしているとあったが、仲間内では、目詰まりどころではない、やはり日本にないんじゃないかと(体感)。
そして、住宅の建築現場でも、普段外で保管していたコーキング類などを鍵のかかった室内で保管しているということです。
さらに、断熱材などもナフサ由来の製品のため、厳重な保管を続けているといいます。
KURASU・小針美玲代表:
(ナフサ由来の資材など)次いつ入るか分からないので。せっかく入ってきた材料が盗まれるなんてことになれば、金額も痛いですけど、引き渡しも遅れてしまう。