前日の暑さから一転、5月21日は冷たい雨の一日となったが、福島県福島市ではまちなかの将来の雲行きも怪しくなってきている。

■福島駅東口再開発・計画見直し
日中の気温が前日と比べ20度近くも急降下した福島市…そしてどんよりとした空気はまちなかの経済にも…暗雲が立ち込める東口の再開発、建設予定地には『2029年度オープン』とあるが、さらに1年の先延ばしが決まった。

福島市・馬場市長:「4階部分が今まで存在していましたが、そこをばさっと切らせていただいております」
市と再開発組合は21日、JR福島駅東口周辺の再開発ビルについて見直し計画を公表した。

■度重なる規模縮小と開業時期の延期
当初はホテルやショッピング施設など公共と民間が一体となった大規模施設が予定されていたが、資材高騰などを背景に切り離し。規模が縮小された公共エリアは今回、大会議室などを断念し、さらに縮小される計画だ。
総事業費は規模の縮小をもってしても当初の計画から220億円膨れあがり、2026年度中と予定していた開業は4年遅れに…。
馬場市長は「経済効果、雇用創出効果、色々算出させていただきましたが、使い続けていくことにしっかりと舵を切れば、確かな投資になりうると確信を持ちました。後ろ向きな、(事業費を)下げているということ以上に、楽しみが増えているんだという前向きなメッセージと共に福島市の未来をここから作り上げていく覚悟を持ちたい」と会見で語った。

■市議からは実現性を疑問視する声
馬場市長が「確かな投資」と強調した再開発ビルだが、市の負担も当初の190億円から327億円にまで膨らむ見通しで、市議会からは今後の事業の実現性を疑問視する声も上がった。
「(説明が)どんどんと変調していってる、変わってきているなという印象が否めません」「今の状況っていうのはウクライナ情勢の時よりはるかに深刻な状況なんですよ。この今の状況をどのように捉えて事業継続をしていこうと考えているのか、そこら辺の根拠を示してもらいたいなと思っています」

■市民も停滞に不安の声
まちなかの経済の停滞…不安は市民にも。
「若い人たちが出ていく前に、つなぎとめられるような娯楽がいっぱいある施設が早くできてくれたらいいなって思っています」
「県庁所在地の玄関ですから、更地になったところがこういう状態で晒されているといいますか、そういう状況が残念だなと思います」
「私、中合に努めていたんですよ40年。だからずっと見ててここ降りる度に寂しいのと」
百貨店が閉店してからまもなく6年となる駅東口…反対側の西口も2年前に大型店舗が閉店し、まちなかの空洞化が年々深刻になっている。

■駅前の経営者も期待値下がる
ランドマークとなる存在がいないまま過ぎてゆく時間…再開発ビルの工事が進む場所の目の前で靴の専門店とカフェを営む大関悠人さんは、何度も駅前再開発の説明会に参加しそのたびに伝えられる延期や縮小に不安を募らせてきた。
大関さんは「また遅れるのかなだったり、また費用とか上がるのかなっていう想いと共にちょっとずつ感心が薄れていってしまうような気がしています。少し焦りもありますけど、期待値も少し徐々に下がってきてしまってますね」と話す。

再開発ビルの開業まで4年…まちなかから人の流れが途絶えてしまわないよう早くその姿が見えるようになることが望まれている。

■記者解説・今後への影響
ーー当初の計画からの規模縮小が繰り返されているが、今回の見直しで計画は前に進むのか?
馬場市長はきょうの全員協議会の冒頭で「大きな問題は時間」と強調した。市は今回の再開発にあたり、「合併特例債」という地方債を財源とする計画だが、これは発行の期限が2027年度までというタイムリミットがある。
また、時間をかけるほど資材の高騰リスクや利息の支払いなどがかかっていく。市や組合としては、今回の見直し案をベースに議論を急ぎたい考えだ。

ーー開業時期の遅れが発表されたが、民間エリアのテナント交渉などに影響はあるか?
再開発組合は、影響はないとしている。民間エリアでは、テナント部分やオフィス部分について、複数の企業から問い合わせがあるとして協議が進んでいることを明かした。
一方で、全員協議会では今後さらに事業費が膨張する可能性や事業そのものの継続性について質問が相次いだ。
市は公共エリアの一日の稼働率を85%として、年間25億円から30億円の経済波及効果を試算しているが、「今後詳細な分析を行っていく」などとして、今回は議会を納得させるだけの十分な根拠が示されなかった印象だ。

多額の税金が使われる事業。市や組合は施設の必要性や費用の妥当性について、市民に丁寧に説明する必要があると感じる。

福島テレビ
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