事件の捜査や行方不明者の捜索で力を発揮する警察犬。
その、ベテラン警察犬と二人三脚で歩む広島県警の新米ハンドラーの姿を追いました。

逃走した容疑者の捜索や認知症による高齢者の徘徊や子どもの迷子まで…。
現場で重要な役割を担っているのが特別な訓練を受けた犬、警察犬です。
その嗅覚は人間の何千倍もあるとされていて、道路などに残った匂いを頼りに捜索をします。

広島県警に所属する警察犬の中でもベテランとして活躍する「クリア」、7歳です。少しだけ臆病な一面もありますが、嗅覚を含め、頼りになる警察犬です。

【県警 鑑識課警察犬係・岸夕鶴さん(25)】
「こんな子なんですけど、めっちゃいい子です。ねえ、クリちゃん。」

クリアを担当しているのは岸夕鶴さん。
広島県警 鑑識課警察犬係に所属する若手警察官です。

【岸さん】
「クリ。クリア。立って。座れ。」

小さい頃から犬が好きだったという岸さん。
警察官を目指したのは小学1年生のころでした。

【岸さん】
「フラワーフェスティバルのパレードに、たまたま警察官の方が警察犬のシェパードを連れて歩いている姿を見て、一目ぼれしてしまって。そこで私もこの人たちみたいに警察犬と一緒に働く人になりたいと思ったのがきっかけ」

警察犬と一緒に働きたい。
その一心で警察官を志してきたといいます。

その後、警察官になる目標を無事かなえ様々な警察署を経験した後、去年、念願の警察犬係に配属されました。「警察犬係」を希望して15年以上がたっていました。

【岸さん】
「めちゃくちゃうれしくて。自分もまさか警察犬係になると自分で思っていなかったのでうれしかったです。ちょっと泣きました。」警察官としては8年目。
でも、ハンドラーとしてはまだまだ新米です。
相棒のクリアから学ぶこともしばしば…。
鍛錬の日々が続きます。

県警によりますと去年、警察犬が出動した件数は413件に上っていて、毎年400件以上の出動事案があります。
今年に入ってからは3カ月間ほどですでに96件。
警察犬が活躍する現場は数多くあります。

新米の岸さんも、クリアとともに行方不明者の捜索活動に向かいます。
現場では「臭い」を追跡するだけでなくハンドラー自身の判断力が問われます。

【岸さん】
「夜、子供が帰ってこないという事案で(現場に)行かせてもらって。クリアが家の付近をくるくる回ってそこからあまり動こうとしなかったり、家の裏の方面を気にする様子があったので、そっち方面にいったのかなと思い、その周辺を探したが発見できず後々話を聞いたら、家の敷地内の配達用のバイクのようなものの狭いトランクの中に入って隠れていたいうことがあり…」


クリアが示してくれた反応に気づくことができていれば、もっと早く子どもを見つけてあげることができたかもしれない。
あの時の反省を胸にクリアの動きを一つ一つ窺いながら団地を練り歩きます。

そんな岸さんをそばで見守る一人の男性。
岸さんの目標でもある大先輩の八田警部補です。

【県警 鑑識課警察犬係 八田智彦 警部補】
「犬を扱うこと自体は問題ない。あとは現場のやり取り、警察官への説明とか行方不明の場合だったらご家族への説明とか判断の仕方とかはあるかもしれないが、あとは経験積んでもらって」

ベテランの「クリア」に助けられながら経験を積んでいる岸さん。
ハンドラーとして次の目標があります。

【岸さん】
「刑事部鑑識課なので犯罪現場に出て色々証拠だったり犯人の手掛かりになるようなことが、警察犬でわかるような活動ができたらなと思います」

幼きころに見た警察犬と一緒に働く夢。
二人三脚で地域社会の安全を守る、その歩みはきょうも続いています。

■スタジオ

広島県警にいる警察犬は県警に直絶所属している「直轄警察犬」が5頭。
そして、民間で飼育・訓練されている「嘱託警察犬」と呼ばれる警察犬が25頭います。

出動要請が入ると基本的に「直轄警察犬」が現場に行きますが、要請の数が多かったり、場所が遠いなど応援が必要な場合は「嘱託警察犬」が出動することもあります。
去年は2件、「嘱託警察犬」が行方不明者の捜索で活躍したそうです。

直轄警察犬は、最近行方不明者の捜索だけでなく犯罪現場に積極的に出動しているということで岸さんとクリアの今後の活躍が期待されます。

テレビ新広島
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