大山スキー場の2026年度以降の新たな運営会社が決まりました。
選定をめぐって再公募が行われるなど、紆余曲折があったこの問題を福村記者と深掘りします。
小泉陽一キャスター:
大山のスキーは鳥取の冬の観光の目玉でもあり、2026年度以降の営業にめどが立ったのは地元にとっては一安心といえそうです。
福村翔平記者:
この決定にスキー場周辺の旅館などからは安堵の声が聞かれました。
レンタルスキーショップなど経営・大杖正彦さん:
地元では非常に心配していましたが、新しい会社が決まって、ひとまずは安心しています。
宿泊施設「川床屋」・小椋康一さん:
スキー場の営業が止まってしまうと宿泊者数も落ちるわけで、そこの見通しがついたわけで、今の段階では安心。
ただ、その一方で…。
宿泊施設「川床屋」・小椋康一さん:
これから交渉する段階だと思うので、なるべく町の負担にならないようにうまく交渉していただきたい。
坂西美香キャスター:
一安心する一方で、今後を不安に思う様子も見て取れましたが、これからの運営には大きな課題もあるようですね。
福村翔平記者:
先週(4月24日)金曜日の町議会で課題が浮き彫りになりました。
議会では町が公募で選んだ兵庫県の会社に「本当に運営を任せていいのか」という討論が行われましたが、かなり紛糾しました。
最終的には賛成9人、反対5人で議会の正式な承認を得ましたが、討論は約2時間半にも及びました。
この中で最大の焦点となったのが収入と支出のバランス、お金の問題です。
反対の立場をとる議員から指摘があったのは…。
反対の議員:
「今回の事業者の指定管理納付金の提案は、10年間で3億8000万円ほどでしかありません。この時点で中長期計画の見通しは、完全に破綻していると言わざるを得ません。」
「10年間で約3億8000万円というアドバンス(新指定管理者)からの提案です。町の計画には、10年間で30億が必要と書いてあります。どういうふうに帳尻を合わせていくかは現時点で不明です。
小泉陽一キャスター:
町と事業者、それぞれの計画で「指定管理納付金」に対する大きな「食い違い」があると指摘が相次いだんですね。
福村翔平記者:
「指定管理納付金」とは、スキー場や温泉などの施設の運営を請け負う管理者が収益の一部を自治体に支払うものです。
大山スキー場の場合、大山町は老朽化した設備の改修などで20年間で90億円の設備投資を見込んでいて、その財源に充てるためこの「指定管理納付金」の10年間の目標を合わせて30億円と定めました。
しかし、新たな運営会社の提案では10年間で約3億8000万円と、町の計画の10分の1ほどでした。
坂西美香キャスター:
なぜ、ここまでの差になるのでしょうか?
福村翔平記者:
議員からは「町の計画は破綻している」「見立てが甘く、いわば『どんぶり勘定』だ」、という指摘が相次ぎました。
公募に応じた別の社からの提案も2億~5億円程度だったということで町が考えるほどには収益が上がらないと考えるのが妥当といえます。
坂西美香キャスター:
今後の議論や計画の行方はどうなりますか?
福村翔平記者:
町は運営会社と協議を重ね、90億円という設備投資を半分程度に抑えることも視野に計画の達成をめざしたいとしています。
大山町・竹口町長:
「全体の投資額としては抑えられたので計画としては回る」という絵も当然あると思います。そこを詰めていくのは、これからの事業者が決定したあとの町と事業者での協議による部分でありますので、今いいか悪いかというところを論じるのは無理がある。
福村翔平記者:
山陰にとって大切な観光資源の経営計画が「絵に描いた餅」にならないよう、これからはより現実的な視点が必要といえます。