2月の衆院選で国政復帰した自民党の武田良太元総務大臣が党内の政策グループを旗揚げし、活動を活発化させている。党内では新たなグループの立ち上げや会合など“派閥回帰”ともいえる動きが広がり、事実上の「武田派」との見方も浮上するなか、県内の重鎮、麻生太郎副総裁との関係を語った。
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「僕は麻生さんと30歳違う」
ーー武田さんは同じ福岡の麻生太郎副総裁とライバル関係にあるとどうしても見えてしまいます。麻生派は60人の規模に膨れ上がり党内や政権内でも存在感を増しています。グループ立ち上げにあたっては麻生さんの存在が1つのきっかけになったのではないですか。
武田氏:
みなさんそこに持っていきたがるんですけど、僕は麻生さんと30歳違うんですよ。親子ほど違う。そして麻生さんは麻生さんの考えで政治をしておられるんだと思うし、私は私の考えで政治をやっていけばいいんだと思います。
高市総理との関係「違和感ない」
ーー自民党内では武田さんのグループに限らず派閥回帰の動きが広がってるように見えます。それに対し高市総理はちょっと警戒しているというような話も聞きます。前回の衆院選のときは高市総理が福岡11区に応援にも入りましたし、高市総理との関係はどうなんでしょうか。
武田氏:
私が菅(義偉)内閣で総務大臣を拝命したとき、引き継いだ前任の総務大臣が高市さんだったんですね。それと共通の支援者や友人の方も数多くおられますし、非常に高市さんと価値観が合う部分も、政策的価値観が合う部分もありますしね。そういった面では違和感はないですね。
【取材メモ】自民党内での“派閥”“グループ”の動き
党内で唯一派閥として残っているのが「麻生派」で現在60人が所属する大所帯となっている。一方、石井準一参院幹事長らが中心に立ち上げたのが「自由民主党参議院クラブ」で約40人が参加。ここでは会費の徴収や会合の定例開催もなく、緩やかな議員同士のつながりだという。このほか岸田元総理や茂木外務大臣も旧派閥のメンバーで木曜日の会合を重ねているほか、高市総理が顧問を務める有志のグループには85人が参加し定期的に勉強会を開催するという。
「マスコミほど派閥が強いところはない」
ーー自民党内ではもともとの派閥の集まりをベースにしたグループの動きが活発化しているようにも見えます。
武田氏:
メディアのみなさま方に1つお願いしたいのが、野党には「グループ」と言って自民党には「派閥」って言うんですね。やってることは同じなんです。それで「人間社会3人寄ればまさに派閥ができる」というように、特に私は(元)総務大臣で電波に関する所管でしたので、マスコミほど派閥が強いところはないですね。これは政治家も目を見張るぐらい(笑)。ですからどういった社会にでもウマの合う、ケミストリーの合う人たちが集うっていうのは、もう人間も動物ですからしょうがないわけであって、それを善用しなければならないというのが政治だと思うんですね。これをしっかりとわきまえたうえでどんどん仲間を増やしていって、自分たちの理想や信念を信条というものを形にしていくということが、あるべき政治家の姿だと私は考えています。
ーー50代でいらっしゃいますが早くから総務大臣も務め、政治家ならいつかは総理になりたいというのは自然なことだと思いますけども。
武田氏:
やっぱり自分顧みて、まだまだ経験が足りませんしね。しっかり研さんを積んでいくことが国民に対する責任だと思っています。
超党派「日韓議員連盟」の新会長に
ーー3月に超党派の議員で作る日韓議員連盟の新しい会長に就任されました。これは菅元総理が前会長でバトンを受け継いだ形ですが、具体的にどんな役割を。
武田氏:
まず政府ではできない外交をしていかなくてはならないと思います。日韓関係がものすごく冷え込んだ時期があったんですね。駐日韓国大使が総理とも外務大臣とも会えないっていう状況。そうした中でも議員外交はずっと続けてきた。その結果が今の日韓関係の形に私はなってると思います。
この北東アジアの平和と安定を考えたときに、日本と韓国は共有する問題があって、ロシア、中国、北朝鮮という核を持った国から囲まれてるわけですね。その中で日米同盟、米韓同盟ということでこの地域を担っているわけですが、ここがしっかりと連携しなければこの地域の安定はないということ。それともう1点は今、エネルギー問題が非常に重要になっていますが、これは日本も韓国も同じ悩みを持ってます。日米韓でどうやってこの地域の両国、この地域のエネルギー問題というものをしっかりとしていくか。ここでも日韓関係は大事だと思います。
それともう1つは経済。台湾のTSMCに韓国のサムソンやSK、日本にも優秀な技術がいっぱいあります。これをしっかり統合して連携して半導体だとか先進技術に対して一定のマーケットを確保していかなくてはならない。
最後にもう1つは、福岡も人材交流というか観光客、お互い交流によって経済を支え合ってるということも忘れてはならないわけです。それだけ重要な隣国であるということを我々は認識しながら1つ1つの対話を積み重ねていく。それが日韓議連の使命だというふうに考えていますね。
ーー福岡選出の議員として聞いておきたいのが、福岡県と県議会の関係です。県の部課長会が給与天引きで会費を集めて、県議会の議長や副議長就任パーティーのパーティー券を購入していたことが非常に大きな問題になってます。自民党の県議団などの会合にも支出していたことが明らかになってます。いびつな関係が明らかになってきてるわけですが、武田さんはどのように受け止めていますか。
武田氏:
私は当事者ではなくよく分からないので明確にどう言えと言われても困りますが、政治家には政治倫理という言葉があるし、公務員には公務員倫理法という法律もあるわけですから、しっかりと線引きしながらやっていかないと県民国民の信を失うことになるとは言えると思いますね。
ーー違法性も指摘されていますが、長年の慣行として続いてきたことが問題かと思いますが。
武田氏:
情報化の時代で、昔なら許されたことが今は許されない時代になってきたっていうことはいろんな分野にも言えると思うんですが、特に政治の「どんぶり勘定」的なことがもう許されない時代になってきましたので、そこはやはり襟を正していったほうがいいと思いますね。
ーー新たな政策集団も立ち上げられたわけですけれど、時間も来たようですので最後にメッセージをお願いします。
武田氏:
すべての今から新しい日本、価値観が変わってまいります。それにしっかりと対応し応えられるように、県そして国のために精一杯に励まさせていただきたいと思います。
(終わり)
(2026年4月18日放送「福岡NEWSファイルCUBE」より)
