100gあたり400円から1000円ほどと、品質によってばらつきはありますが、やはり一番茶よりもお手頃です。

しかし、味は格別。濃厚でしっかりとした味わいから、極めて高い人気を集めています。

ちなみに、煎茶を粉末状にした“粉末茶”との違いが分からない方もいらっしゃるかもしれませんが、粉茶はお湯には溶けません。

粉末茶は湯飲みに入れて直接お湯を注いで飲むことができますが、粉茶は目の細かい急須を使う必要があります。

手間に感じるかもしれませんが、独特の濃厚な味わいは一度味わうと何度も飲みたくはずです。

最も希少な「芽茶」

最後は出物のなかで最も採れる量が少ない「芽茶」。

芽茶(特集班撮影)
芽茶(特集班撮影)

栄養素が詰まった芽の先の細い部分だけを集めたお茶で、100gあたり600円台~1000円ほどと、茎茶と粉茶に比べると幾分高めです。

それどころか産地や品種などによっては、100gで4000円以上の高級品もあるなど、希少品として知られています。

お得という訳ではありませんが、お茶のうま味が凝縮されたような深みのある味わいは、他のどのお茶とも異なります。

奮発してたくさん買うお茶好きも少なくありません。

大妻女子大学名誉教授の「お茶博士」こと大森正司さん
大妻女子大学名誉教授の「お茶博士」こと大森正司さん

出物は、お得に新茶を楽しめるだけでなく、お茶の奥深さを味わえるのも魅力です。

新茶シーズンになるとスーパーなどでよく「新茶」や「一番茶」を目にすると思いますが、なかには茎茶や粉茶、芽茶なども一緒に販売するお店もあります。

ぜひ一度味わってみてください。きっと毎年出物が待ち遠しくなるはずです。

大森正司(おおもり・まさし)
大妻女子大学名誉教授でお茶の魅力を広く伝える「お茶大学」を主催。

大森正司
大森正司

大妻女子大学名誉教授。農学博士。NPO法人日本茶普及協会理事長、NPO法人日本食行動科学研究所所長、お茶料理研究会事務局長、茶需要拡大技術確立推進協議会会長などを歴任。「お茶博士」として幅広いメディアに出演。2021年に瑞宝小綬章受章。著書に『お茶で若く美しくなる』(読売新聞社)、『おいしい「お茶」の教科書』(PHP研究所)、『お茶の科学』(講談社ブルーバックス)など。