そこで、今回はもう少し手頃に新茶を楽しみたいという方に、「出物(でもの)」を紹介したいと思います。

「出物」というのは「製茶する過程でふるい落とされたもの」、および「ふるい落とされた部位で作られたお茶」を指します。

まず、新茶の場合、新芽の芯(先端)から数えて2〜3枚の葉を摘むのが一般的です。これは「一芯二葉(いっしんによう)」や「一芯三葉(いっしんさんよう)」などと呼ばれます。

「一芯三葉」(イメージ)
「一芯三葉」(イメージ)

摘んだ芽や葉は、“蒸す”、“揉む”、“乾燥させる”などさまざまな工程を経て製茶されるのですが、その過程において小さな目や茎、欠けた茶葉などがふるい落とされ、出物となります。

出物は採取量が非常に少ないため、茶農家の方々がこつこつと集め、製品化できるほどの量になってようやく出荷されます。

そのため、出回るのは新茶シーズンの中盤以降。地域にもよりますが、だいたい5月から6月にかけて流通します。

ちなみに、出物は二番茶以降のお茶を製造する際にも出回りますが、やはり味や香りは新茶シーズンの出物が最も良く、通からも愛されています。

ほのかな甘みを感じる「茎茶」

数ある出物のなかで、今回は代表的な3つのお茶を紹介します。

まずは「茎茶」から。

茎茶(特集班撮影)
茎茶(特集班撮影)

新芽の茎だけを集めたお茶で、その見た目から地域によっては「棒茶」とも呼ばれます。

出物のなかでは比較的多く採れるため、100gで500円ほどと値段もお手頃です。

しかし、考えてみれば茎は芽や葉に栄養を送り届ける部分。体にいい成分が豊富に含まれているのは一番茶と変わりありませんし、味も非常によく、独特のフレッシュな香りとほのかな甘みで根強い人気を集めています。

濃厚な味わいが楽しめる「粉茶」

次は「粉茶」。

粉茶(特集班撮影)
粉茶(特集班撮影)

粉茶は一番茶を製造する際、葉や茎を切断するときに出る粉状のかけらを集めたものです。