2025年12月の打ち上げ失敗から、日本の宇宙開発がようやく前に進もうとしている。JAXAは台座の破損を失敗の主要因と特定し、早ければ2026年6月にも打ち上げを再開する見通しを示した。次に飛ぶのは、従来とは異なる新たな方式を採用した6号機。火星探査計画も視野に入る中、日本の宇宙開発の真価が問われる局面を迎えている。

「剥離が進展して破壊に至る」 失敗の原因がついに特定

2025年12月、種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット8号機は、衛星を予定の軌道に投入できずに失敗した。それから約4か月。2026年4月13日、オンラインで開かれた国の委員会で、JAXAがその原因をついに特定した。

JAXA・有田誠プロジェクトマネージャは委員会でこう説明した。

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「(台座の)剥離が進展して破壊に至るメカニズムやその他データとの整合性を示して、これが失敗の主要因となった可能性が極めて高いと評価した」

失敗の原因は、衛星を載せる台座の破損だった。さらにその一因として、台座が高温多湿な環境下にさらされたことで、接着剤の強度が低下した可能性があるとJAXAは分析している。

再発防止策と打ち上げ再開の見通し

原因の特定を受け、JAXAは今後、台座の補修や接着方法を見直すとしている。関係者によると、国とJAXAは早ければ2026年6月の打ち上げ再開を検討しているという。

次の打ち上げ対象として想定されているのは、H3ロケット6号機だ。

注目の6号機 「補助ロケットなし」の新方式に切り替え

6号機は、これまでのH3ロケットとは異なる構成を持っている。2025年10月に打ち上げられた7号機には、メインエンジンを補助するための「補助ロケット」が装備されていた。一方の6号機は、補助ロケットを使わない代わりに、メインエンジンを2機から3機へと増やした構成を採用している。

この方式変更には明確な狙いがある。補助ロケットを使わないことで打ち上げコストを大幅に削減できるためだ。JAXAは、2025年6月に運用を終えたH2Aロケットの半分にあたる、約50億円での打ち上げを目指している。コストダウンは、日本が国際的な宇宙ビジネスの競争力を高める上でも欠かせない課題だ。

2年に一度のチャンス 火星探査計画も待っている

H3ロケットをめぐっては、さらに大きな使命が控えている。2026年秋、火星の衛星を探査する無人探査機の打ち上げが計画されているのだ。

火星と地球の位置関係には周期があり、打ち上げに適したタイミングは限られている。この機会を逃せば、次の打ち上げは2年後に延期せざるを得ないという。それだけに、6月の打ち上げ再開は単なる「復旧」ではなく、日本の宇宙開発全体のスケジュールを左右する重要な一歩となる。

高温多湿の環境への対策という地に足のついた課題を克服しながら、火星へと向かう挑戦。H3ロケット6号機の打ち上げは、日本の宇宙開発の現在地を示す一打として、大きな注目を集めそうだ。

(動画で見る▶H3ロケット 6月再開を目指す JAXA「原因は台座の破損、接着剤の強度低下」 秋の火星ミッションへ瀬戸際の重要局面)

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