大阪府議会の定数を50議席削減。そんな前代未聞の”議員定数削減案”が、大阪維新の会で浮上しています。一体どんな狙いがあるのでしょうか。

10日午後3時から始まった維新の会大阪府議団の意見交換会で話し合われたのは大阪府議会議員定数を50議席減らし、29議席にするという前代未聞の”議員定数削減”案です。

■15年前に当時の橋下代表率いる維新が定数削減を実行「109→79」に 反発も

定数削減をめぐっては15年前にも当時の橋下代表率いる維新が「身を切る改革」をかかげ、定数削減の条例案を提出。

維新ペースで進む議会運営の野党会派が反発し、バリケードを築いて採決を阻止しようとするなど、大混乱に陥りますが、最後は強行採決され、当時109あった定数は、最終的に79にまで削減されました。

この結果、複数の議員が当選できる選挙区が減ったことで、少数政党が当選しにくくなる”副作用”も生まれ、府議会では現状、維新が定数の7割近くを確保しています。

■マンチェスター市長から「『Too Many』と言われた」

こうした中、府議団のプロジェクトチームが1年間議論したという今回の削減案。

イギリスの「大ロンドン市議会」を参考に、議員1人あたりの人口規模を合わせると、50議席の削減がふさわしいというのです。

イギリス視察を行った維新府議は関西テレビの取材に「マンチェスターの市長に会いに行って、『大阪府議会79人の姿はどうですか』と聞いたら『Too Many』と言われた。強い印象として残っている」と、今回の議論のきっかけになったと明かします。

■都構想の議論踏まえ慎重意見も

大阪維新の会は、前回の統一地方選挙で、「全国で最もスリムな議会を目指す」ことを公約に掲げていて、こうした姿勢も背景にあるとみられます。

一方、府議団の中では「『副首都』の要件や、『都構想』の形が明確になった時点で定数の在り方を検討することが適切だ」など慎重な意見も出ています。

■元テレ朝アナ・西脇弁護士「数ありきというのは順番が違うのでは」

元テレビ朝日アナウンサー・法務部長の西脇亨輔弁護士は、今回の維新の議員定数削減案について、「ロンドンの議会は25人が定数だが、大阪とロンドンでは仕組みが違う。数ありきというのは順番が違うのでは」と指摘しました。

【西脇亨輔弁護士】「ロンドンと大阪は違います。ロンドンの場合、広域自治体と基礎自治体との役割分担がしっかりしている。

そういった、ちゃんと住民の声を吸い上げるシステムがあってこその25人の議員ですから。まずその住民の声の吸い上げ方から議論しないと。

まず数ありきというのは、ちょっと順番が違うのではないかと思うんですよ」

また西脇弁護士は2010年に当時の府知事だった橋下徹氏がロンドンを訪問していたことに触れ、「20数人という定数を考えていたのでは」と推測しました。

■専門家「都道府県には市町村で対応が難しい事務や課題を補完・調整する役割」指摘

また地方政治に詳しい、後藤・安田記念東京都市研究所の岡野裕元研究員は、議委定数削減について、次のように指摘しました。

【岡野研究員】「都道府県には市町村で対応が難しい事務や課題を、補完・調整する役割がある。人口減少でその重要性が増す中、議員定数を減らしすぎると時代に逆行しかねない」

メリットもデメリットも想定される中で、丁寧な議論必要になるのではないでしょうか。

(関西テレビ「newsランナー」2026年4月10日放送)

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