集中力は「自律神経」も関係する

集中できない原因は、こうした外部環境の問題だけではありません。実は、集中できるかどうかには、私たちの体に備わる「自律神経」の働きも関わっていると考えられています。

自律神経とは、呼吸や心臓の動き、消化など24時間休まず体の機能をコントロールしている神経のことです。

自律神経には、覚醒状態を促し緊張状態のときに働く「交感神経」と、リラックス時に働く「副交感神経」の2つがあり、シーソーのようにバランスを取り合っています。

集中できないときは交感神経が優位になっている(画像:イメージ)
集中できないときは交感神経が優位になっている(画像:イメージ)

私たちが集中できないとき、心の中には不安や興奮などさまざまな感情が生じています。感情は自律神経とも連動しており、不安や興奮を感じているときはたいてい交感神経が過剰に優位になります。

集中するために適度な覚醒は必要ですが、交感神経がたかぶりすぎると、今度は逆に集中しにくくなることがあります。こうした状態をコントロールするのに、意志やモチベーションだけではなかなかうまくいきません。場面に応じて自然にシフトできるような「仕組み」が必要です。

実用本に書かれたノウハウを取り入れようとしても、なかなかうまくいかない。そんなときは「能力が足りないから」と自分を責めるのではなく、「行動が起こるための適切な仕組みが不足していたからだ」と捉えてください。

自分のせいではなく、仕組みのせいにするのです。この視点を持つことで、自己否定に陥らず、「では、どんな仕組みを作ればいいのか?」と前向きに改善策を考えられるようになります。

『なぜ、あなたは時間に追われているのか「時間がない」から解放される15の仕組みと思考法』(日経BP)

吉川ゆり
Mental Breakthrough Coaching(TM)スクール代表。社会を変える土台としての「人の変化の構造」を体系化し、経営者・リーダー・医療者・教育者・芸術家など変化を起こす人材を育てている

吉川ゆり
吉川ゆり

Mental Breakthrough Coaching™スクール代表。社会を変える土台としての「人の変化の構造」を体系化し、経営者・リーダー・医療者・教育者・芸術家など変化を起こす人材を育てている。サンフランシスコ在住、大阪大学人間科学部卒業後、米国に留学し国際行政学修士号取得。ハーバード大学エクステンション・スクールで認知神経科学を履修。米国金融業界にてメガバンクのヴァイスプレジデント、フィンテック企業のシニアディレクターを歴任後、コーチとして独立。現在は国内外の管理職・経営者・専門家に向けて、変容型リーダーシップと人間成長の技術を提供している。