現在の中学2年生が受験を迎える2027年度、宮崎県立高校の入試制度が大きく様変わりする。県教育委員会が打ち出した素案では、現在の「推薦入試」と「一般入試」を一本化するほか、複数の高校に出願できる「複数志願制」を新たに導入する方針だ。背景には「県立高校離れ」への強い危機感がある。
入試制度の抜本的な見直し
2025年度の入試で、県立高校の志願倍率は過去10年で最低となった。全日制では34校の約8割にあたる27校で学校全体の倍率が1倍を下回り、平均0.71倍となった。私立高校の授業料実質無償化の影響で、学校・学科問わず相対的に志願者数が減少した形だ。
このような「県立高校離れ」が浮き彫りとなる中、全日制県立高校の入試制度について検討してきた県教育委員会は、2027年度から、自己推薦方式による推薦入試と一般入試を統合する方針を明らかにした。素案では、2月上旬の「推薦入試」と3月上旬の「一般入試」を一本化し、「前期入試」とする。
合格者が募集定員に満たない場合のみ、現在の「二次募集」にあたる試験を「後期入試」として実施する。

「前期入試」では、5教科(国語、数学、理科、社会、外国語)の学力検査に加え、新たに各高校のアドミッション・ポリシーを踏まえて設定する「学校独自検査」(面接、適性検査等)を行う。
これにより、現在の「自己推薦方式」による「推薦入試」はなくなる。(※スポーツ推薦方式については2027年の国スポ・障スポ後に検討)
複数志願制で 「臆することなく第1志望に挑戦を」
新たな入試制度は2027年度から実施される予定で、現在の中学2年生からが対象になる。

もう一つの特徴は、複数の高校に出願できる「複数志願制」だ。現在は基本的に「推薦入試」で1校、「一般入試」で1校しか選べないが、「前期入試」では、1つの試験で複数の高校を志願できるようにするという。
県教育委員会では、「臆することなく第1志望に挑戦できる環境を整え、進路選択の可能性を広げる選抜制度を目指す」としている。

また、一本化により入試期間を短縮することができるため、教員の負担軽減も図られる。
県教育委員会高校教育課 佐々木未応主幹:
これまでの入試だと約2ヶ月ほど入試期間があったが、それを短縮することで教員の入試事務の業務負担を減らすだけでなく、本来の中学校や高校の教育活動に力を注ぐことができる。
私学人気と県立離れへの危機感
定例会見で、宮崎県の河野知事は背景について…

宮崎県 河野俊嗣知事:
高校教育の無償化の影響や生徒数の減少なども背景として、(県立高校の)応募状況も大きく変化をしている。特にいま、私学への人気が高まっている状況の中で、県立高校としての魅力をどう高めていくのか、そこが問われている。
今後のスケジュールは
県教育委員会では、4月24日までパブリック・コメントを通じて広く県民の意見を募っている。その結果を踏まえて制度の詳細を固め、夏ごろには新たな入試の「実施方針」を公表する予定だ。気になる入試日程は「2月~3月」としており、具体的な実施時期は「未定」となっている。
今回の入試制度改革は、単なる手続きの変更にとどまらず、多様化する生徒のニーズや教員の働き方改革、そして「県立高校の価値」そのものを問い直す大きな転換点となりそうだ。
(テレビ宮崎)