政府は26日から石油の国家備蓄の放出を始めた。中東情勢の緊迫化に伴い、不足していた石油の安定した供給が期待される。しかしホルムズ海峡の事実上の封鎖は、原油以外の輸入品に対し、大きな影響が表れている。その1つが「ヘリウムガス」。ヘリウムガスを使うバルーン装飾の会社からは、今後を懸念する声が聞かれた。
山形市にある「アルトバルーン」。
高品質な造花とバルーンを組み合わせ、結婚式のコーディネートやプレゼント用のギフトなどを手がけている。
結婚式場やパーティー会場を華やかに彩るバルーンを浮かせるために欠かせないのが「ヘリウムガス」。
日本ではカタール・アメリカからの輸入に依存しているため、ホルムズ海峡の事実上の封鎖は大きな痛手となっている。
(アルトバルーン・伊渕南々絵さん)
「県内の企業はカタールのヘリウムを輸入しているので、いま出荷ができないという状況になっているが、最後の在庫を仕入れさせてもらって、何本かはヘリウムのボンベを確保している状況」
カタール産のヘリウムガスは、アメリカ産のものより安く仕入れられるのがメリットだった。
出荷のストップを受け、県内のガス会社はアメリカなどほかの国から輸入できるかも探っているという。
(アルトバルーン・伊渕南々絵さん)
「カタールから海峡を通らずに日本に輸入すると遠回りになってしまうので、輸送コストが上がってしまったり、今後需要がほかの国に偏った時に値上がりだったり、価格が上がるという影響が考えられる」
アルトバルーンでは、現在バルーン1000個分のヘリウムガスを確保していて、いま入っている注文については価格を据え置いて対応できるそう。
しかし、4月・5月は結婚式の需要が増える時期に入るため、今後の影響を心配している。
(アルトバルーン・伊渕南々絵さん)
「今後の状況次第で供給ができるのか、ヘリウムの風船を届けられるのか。また、価格を見直しも今後検討していかなければいけない」
経営するカフェでは、ディスプレイに空気を入れてつるす風船も活用し、ヘリウムガスを節約するようにしている。
「大切な時間をバルーンで華やかにしてほしい」
利用者からの期待に応えるため、工夫と我慢をしながらの営業がまだ続きそう。
(アルトバルーン・伊渕南々絵さん)
「たくさんの人が笑顔になるような世界になってほしい。一刻も早く状況が改善することを願っている」
ヘリウムガスをめぐっては、約5年前にも供給が不足したことがあったそうで、その時は仕入れ値が10倍ほどに上がり、物も入らずに大変だったそう。
風船は大切な祝い事に使われることが多いため、「ヘリウムガスが不足するとお客に提案できる幅が狭まったり、急に値上げするとなると本当に心苦しい」と話していた。
結婚式などは早めに注文が入るため、受注して提供できないということにならないよう、業者に供給状況・価格を確認しながら慎重に対応していきたいとしている。