2025年3月に島根・雲南市で起きた飼い犬の連続“不審死”。
あれから1年が経った26年3月、島根県が専門機関に依頼した調査の結果、「死因の特定には至らなかった」ことが明らかになった。
飼い主は、悲劇から1年が経った桜の季節に、やり場のない思いを抱える日々を過ごしている。

イヌの不審死が相次いだ河川敷(雲南市三刀屋町)
イヌの不審死が相次いだ河川敷(雲南市三刀屋町)
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桜の季節に襲われた悲劇

1年前の2025年3月…雲南市に住む川津幸寛さんは、愛犬の『トラ』を突然失った。
「死因を特定する原因が分からないというから何も言うことができない。もう言葉がない、残念だということしか…」と無念さを語る。

雲南市三刀屋町で起きた飼い犬の連続不審死。
3月21日夕方から23日朝にかけて、川津さんの飼い犬『トラ』を含め、少なくとも4匹の飼い犬が町内の河川敷を散歩後、体調を崩して死んだ。

飼い主は、河川敷で「茶褐色のもの(を舐めていた)」、「銀紙が落ちていてそれを拾っていた」などと語り、いずれも犬が不審なものを口にくわえていたと証言。
保健所が、死因の特定に乗り出していた。
川津さんも保健所の調査に全面協力し、早期の原因究明につながればと、『トラ』を献体として提供していた。
保健所は、『トラ』の遺体を専門の研究機関に送り、詳しい死因を調べていた。

死んだ犬は河川敷に落ちていたものをくわえていたという
死んだ犬は河川敷に落ちていたものをくわえていたという

不審死から1年…原因究明は難航

それから1年が経ち、川津さんのもとにようやく保健所から連絡がきたという。
しかし、保健所を管轄する島根県薬事衛生課によると、複数の専門機関で胃の内容物や腎臓の検査などを行ったものの、「死因特定には至らなかった」という報告だった。

川津さんは、「毒性の物質は何も出なかった」との報告を受けて、愛犬の死が今もなお謎に包まれていることに肩を落とす。
そして「今も『トラ』のことを思いながら毎日生活している。どういう格好で歩いていたか、何をしていたかとかそういうことを思いながら今も一人で散歩している」と心に空いた隙間を埋めきれず嘆いている。

死因は謎に包まれたまま
死因は謎に包まれたまま

1年後の報告に肩を落とす飼い主…これ以上の悲劇が起きないこと願う

検査結果が出るまでに1年かかった理由について県は、「国内の専門機関が少ないことから、
当初から結論は年単位になる可能性がある」と検査機関から言われていたとしている。

川津さんは、『トラ』の墓参りを欠かさず続けながら「こういうことは2度とあってはならない」と語り、地域のほかの飼い主に“イヌの不審死”事案があったことを知らせ、警鐘を鳴らす。

県は、死因の特定についての調査はすでに打ち切ったが、現場近くに『犬の拾い食いをさせないこと』を飼い主に呼びかける看板を設置するなどして、同様の事案が起きないよう引き続き注意を呼びかけるとしている。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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