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Thinkings株式会社は、採用管理システム「sonar ATS by HRMOS」を提供するHR Tech企業です。100以上のクラウドサービスを活用している当社では、「必要な情報に辿り着くまでの時間」が静かに増え続けていました。


そんな課題を解決すべく、「探す」を代行するプロダクト開発に動き出したのがCE Team(Corporate Engineering Team)です。彼らは社内ハッカソンで開発された原型をもとに、わずか2ヶ月でAIエージェント「Butler(バトラー)」をリリースしました。


今回は、「Butler」誕生までの背景と試行錯誤、そして今後の展望について、CE Teamの4名に話を伺いました。


プロフィール情報はインタビュー時点(2026年1月)のものです。

CE Teamの役割——「社内課題を解決する」技術チーム

──まずは、CE Teamのミッションを教えてください。


Y.N. 端的に言うと、「社内課題の解決」です。「Corporate Engineering(CE)」とは、デジタル化の進展によって生まれた比較的新しい概念です。従来は情シス(情報システム部門)と呼ばれ、PCセットアップのようなマニュアル作業を担っていました。しかし、クラウドサービスの普及やリモートワークの浸透により、ITを用いて業務効率化を推進する役割が求められるようになりました。


そこで、弊社では「Corporate Engineering(CE)」として意識と役割を再定義し、社員の働きやすさを支えるチームとして活動しています。


CE Teamジュニアスペシャリスト Y.N.

Butlerは、本質的ではない作業を「代行」してくれる存在

——「Butler」とは、どのようなプロダクトなのでしょうか?


Y.N. 社員なら誰でも利用でき、本質的ではない作業を代行してくれるAIエージェントです。Teamsアプリとして利用でき、社内ナレッジポータルやTeamsにある情報をもとに質問に回答してくれます。


例えば、「経費精算」や「会社のロゴ利用申請」をしようとしたときに、「手順はどこ?」「最新版の申請書は?」「誰に聞けばいい?」と迷うことがありますよね。「Butler」は、そうした“探す・聞く・待つ”を解決してくれます。


弊社では100を超えるクラウドサービスを活用しているため、ルールや手順を調べる負荷が大きくなりがちです。そこをAIに肩代わりさせることで、社員が本質的な業務に集中できるようにしたいと考えました。


現在は質問への回答のみが可能ですが、将来的には申請業務などの「実際のアクション」も担える存在へと育てていきたいと考えています。


実際のButlerの画面。ガイドラインや申請フローについて教えてくれる。

社内ハッカソンで生まれた「マイバトラー」。プロトタイプから実用へ

——Butlerの原型である「マイバトラー」は、社内ハッカソンで誕生したそうですね。


A.O. はい。2025年の社内ハッカソンでは、「生成AI活用と業務改善」がテーマでした。そこで、社内ナレッジポータルを横断検索し、必要な情報を要約して回答するWebツール「マイバトラー」を開発しました。


実験的なプロトタイプではありましたが、「探すコスト」を減らせる確かな手応えがありました。その手応えを受け、「これは一過性のアイデアで終わらせるべきではない」とチームで判断。本格的な開発に着手し、より日常的に使える形を目指して、Teams上で利用できるAIエージェント「Butler」へと進化させました。


CE Teamアシスタントマネージャー A.O.


——ハッカソンから始まった取り組みが、CE Teamの本質的なテーマにつながったのですね。


M.S. ハッカソンで「マイバトラー」を開発したときは、メンバーそれぞれが日々感じていた検索の手間を解消したい、という思いが出発点でした。ハッカソンでの反響を受け、その違和感は自分たちだけのものではなく、多くの社員が共通して抱えているものだと確信しました。実際、社内からは次のような声が上がっていました。


・どこに情報があるのかわからない

・検索しても欲しい情報がヒットしない

・問い合わせを受ける側も負荷が大きい


これをCE Teamが解決すべきテーマと捉え、「情報検索に時間がかからない環境」を整える方針が決まりました。


さらに、LLM(Large Language Models)※1やMCP(Model Context Protocol)※2といった技術の登場により、「いまならAIで解決できる」という確信が持てたことも大きかったです。


※1 LLM(Large Language Models):大量のテキストデータを学習し、文脈を理解したうえで自然な文章を生成できる大規模AIモデル。

※2 MCP(Model Context Protocol):AIモデルが外部のサービスやデータ(クラウドツール、社内システムなど)と安全かつ統一的に連携するための仕組み。


CE Teamメンバー M.S.

実用化までわずか2ヶ月──開発体制や試行錯誤のリアル

——「Butler」の開発体制について教えてください。


A.O. CE Teamの4名でスクラムチームを構成し、2週間のスプリント(作業期間)で開発しました。「シンプルでもいいから最短でリリースする」ことをゴールとして進めました。


計画から振り返りまでを1スプリントとし、このサイクルを継続的に繰り返す。


結果的に2ヶ月でリリースできたのは、チーム全員の集中力のおかげです。マイバトラーという原型があったとはいえ、よく頑張ったと思います。


——開発過程で、最も難しかった点は何ですか?


K.O. 「何をどのように実現するか」という要件定義です。生成AIを活用して、Teams上でスムーズな情報検索を実現するという方針は決まったものの、それを具体的な仕様に落とし込むのが非常に難しかったです。


当初は、TeamsのチャンネルでButlerをメンションすると、スレッドで回答する形式を想定していました。しかし、スプリントレビューで「使いづらい」と指摘がありました。他の人が見ているチャンネルでAIとやり取りするのは心理的ハードルが高く、実際に使ってみても不自然でした。


さらに、セキュリティ面の問題もありました。Butlerが参照できるのは、あくまで利用者本人が閲覧権限を持つ記事に限られます。しかしチャンネル形式だと、本来見られない情報を含んだ回答が他のメンバーに表示される可能性があります。


こうした課題を解消したのが、現在の個人チャット形式です。個人チャットであれば、気兼ねなくButlerに質問することができ、セキュリティ面の問題も解決できます


CE Teamメンバー K.O.


一方で、やり残したこともあります。本当は自然な会話形式を目指していたのですが、初期リリースに間に合わせるには工数が足りず見送りに。一問一答形式としてリリースしました。


——レビューではどのようなフィードバックがありましたか?


K.O. AIの回答が遅いという指摘がありました。処理時間には限界があったため、「検索しています」「記事を読んでいます」といった進捗を返す仕様に変更し、体験を改善しました。


検索中のButler画面。進捗を細かく教えてくれるため、安心感がある。


Y.N. 上長からのフィードバックがリリースを後押ししてくれました。品質は一定水準に達していたものの、メンバーの間では「もう1スプリント開発すれば、もっと良くなるのではないか」と、リリースをためらっていました。


そんな中、「早くフィードバックを受け取るためにも、まずは出してみよう」と背中を押してもらい、リリースに踏み切ることができました。

リリース後の反響と、Butlerが目指す未来


——リリース後、社内からはどのような反響がありましたか?


K.O. リリース直後にオフィスで交流イベントが開催されたのですが、そこで何名もの方から「便利だったよ」「助かった」と言っていただきました。自分の仕事が誰かの役に立っている実感があり、とても嬉しかったです。


また、ハッカソン発のプロダクトが全社員向けに実用化されるのは初めてのため、ハッカソンの有効性を改めて示す意味でも価値ある取り組みだと考えています。


M.S. リリースのお知らせに予想以上のリアクションがあり、社内の関心の高さを実感しました。改善要望もいくつかいただいたので、今後のアップデートに活かしていきたいです。


リリース直後に数多くのスタンプがついた。社内の関心の高さがうかがえる。


A.O. スクラム開発の基本として、リリースして終わりではなく、改善を続けることが前提です。現在も、社内からのフィードバックや、自分たちで使ってみた気づきをもとにアップデートを重ねています。社員の皆さんには、気軽にフィードバックをいただきたいです。その方がButlerも早く良くなっていきます。


——今後、Butlerはどのような姿を目指していくのでしょうか?


M.S. Butlerのコンセプトは、本質的ではない作業を肩代わりしてくれるAIエージェントです。もっといろいろなサービスと連携して、社員が無意識に行っている付帯的な作業まで肩代わりできるようにしたいです。


例えば、経費申請や勤怠の修正。社員が「こういう申請をしたい」と話しかけるだけで、Butlerが内容を整理して、必要な形式に整え、申請まで完了する——そんな未来が理想です。

Butler開発を通じて見えたThinkingsの強み

——改めて、今回のプロジェクトの意義をおしえてください。


Y.N. 大きく3つあります。1つ目は、「コーポレートエンジニアは何をするのか」を、プロダクトを通じて社内に示せた点です。


2つ目は、単に生成AIを使ったのではなく、その先にある「AIエージェント」という考え方をプロダクトに落とし込んだことです。社員の代わりに動き、作業を任せられる存在としてAIを実装した点は、Thinkingsにとって新しい挑戦だったと思います。


3つ目は、社内の文化を土台にプロダクトを生み出せたことです。ナレッジポータルへの情報集約、ハッカソンの実施、スクラムによるスピーディーな開発。こうした仕組みと文化があったからこそ、Butlerは生まれました。


AIを業務にどう実装するかという挑戦は、まだ始まったばかりです。今後もこの文化を土台に、社内の働き方をより快適にするプロダクトを育てていきたいと思います。




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