2016年の熊本地震、液状化被害についてです。熊本市の対策工事の事業完了が
16日承認されました。液状化被害から10年以内での完了は全国的にも早い事例として注目されているということです。
熊本市南区では熊本地震で液状化が発生し、近見1丁目から南高江2丁目付近の
857戸が被災し、約40ヘクタールで対策工事が行われていました。
用いられたのは『地下水位低下工法』。地下水の流れを遮るため板状の鋼鉄の杭『矢板』を打ち込み、水をくみ上げることで水位を下げる工事です。
16日開かれた23回目の市液状化対策技術検討委員会では南区で今年度まで工事が行われていた二つの地区を含む全8地区について経過が報告されました。
【市川勉委員(東海大学名誉教授)】
「これで完了ということでいいと思います」
いずれの地区も液状化対策の効果が維持されていると確認され、16日の委員会で
全ての工事の完了が承認されました。
今年度までの総事業費は約131億円。
北園芳人熊本大学名誉教授は発災から10年での工事完了について「維持費も公費での負担とし住民に求めなかったこと」などを挙げた上で次のように述べました。
【北園芳人会長(熊本大学名誉教授)】
「本当に液状化対策は難しい。他の(液状化被災)地域では(工事が)進んでいない所もあるが(熊本市と住民の)丁寧な対話によって住民の同意が得られたことが
一番大きかったと思う」
一方、熊本市は16日近見地区の住民を対象に行ったアンケートの結果を発表。
全体の90%が『液状化被害を知っている』と答えたものの、20代・30代では
56.5%にとどまっていて、若い世代の認知度がやや低いことなどが報告されました。
熊本市は「引き続き地下水の観測を続けるとともに、液状化対策の啓発に努めていきたい」としています。