備えの基本をおさえて防災力アップを目指す「備えのツボ」です。
2011年の東日本大震災から2026年3月11日でちょうど15年です。地震の規模を示すマグニチュードは9.0。これは日本の観測史上最大です。最大震度は宮城で7、その他、茨城や栃木など関東でも6強を観測しています。
そして、象徴的な被害は、津波です。津波を含めた死者は1万5901人に上り、15年たった今なお、2519人が行方不明(3月9日警察庁発表)となっています。
発生当時は小学生で、千葉県に住んでいたOHKの森下花音キャスターが、在宅時や家族の登下校時に感じた自身の体験談から、今回は「家の中」と「家の外」をテーマにそれぞれで大地震から子供を守るための備えについて、対策の一例を紹介します。
◆熊本地震を経験した防災収納インストラクター・松永さんは家の中の「安全スペース」づくりを推奨
〇「家の中」の備え
安全な家づくりについて発信している防災収納インストラクターの松永りえさんに聞きました。(聞き手:森下花音アナウンサー)
Q:大地震が起きた時、(家の中で)一番被害が大きいことは?
「家具の転倒。亡くなった人も、家具に押しつぶされてというのが一番多い。大人の目線で腰の高さくらいの家具でも、子供にとっては身長くらいの高さなので、子供は足に(家具が)倒れるだけでも抜け出せない」
まずは、家の中で「安全スペース」を作ってほしいと話します。
「(1)何も落ちてこない(2)何も倒れてこない(3)何も移動してこない、というスペースを必ず家の中に作っておく。緊急地震速報が鳴ったら、そこに家族全員で逃げ込むというスペースを作っておくと、冷蔵庫を押さえに行ったり、立ち尽くしたりということがなくなる」
◆いざ被災したら…子供にとって大事な心と体の「備蓄」 松永インストラクターの場合
松永さん自身も10年前に熊本地震を経験しています。
「寝ている時間だったが、すぐには(子供の所に)駆け寄れなくて。(子供が)ベッドの布団にしがみついておびえている感じだった」
Q:子供にとって、当時あったら良かったと思うものは?
「日常でやっていたことが急に寸断されるので、ストレスが大きかった。ジュースやお菓子などをもっと備えておけばよかった。電気がないと、ゲームもできないしテレビも見られない。その時に役立ったのが、塗り絵やトランプやカードゲームなどのアナログのゲーム」
◆子供が「家の外」で大地震にあったら…共働き家庭の対策一例「BoTトーク」
一方で、子供が「家の外」にいるときは。
小学1年生の子供がいる岡山市北区の田中さん家族を取材すると。
(田中朝陽くん)
「これを使っています」
子供の見守りグッズの製造などを行う神奈川のビーサイズが開発した「BoT(ボット)トーク」。GPS機能を搭載したデバイスです。
ビーサイズが行った調査によると、共働きなどを理由に平日に平均9時間以上小学生の子供と離れる家庭のうち、子供の安否確認策を用意している家庭はわずか3割。厚生労働省によると、共働きの世帯は年々増加し、家庭の標準的なスタイルになっています
◆子供にとっても親にとっても「お守り」居場所だけでなくボタンひとつで音声を送り合える機能も
田中さん家族も共働き。子供の登下校をこのデバイスで見守っているということです。実際に利用している様子を見せてもらいました。
(田中朝陽くん)
「行ってきます!」
デバイスを持った子供が歩いていくと、離れている親は、スマートフォンで今どこにいるのか地図で確認できます。
(母・田中宏美さん)
「ここはまだ家から200メートルくらいかな」
学校まで徒歩で1時間弱かかります。
(母・田中宏美さん)
「1ヵ所でずっと止まっていることがあれば、何かあったのかなと分かる」
さらに、ボタンひとつで音声を送り合える機能も。
(田中朝陽くん)
「今から帰るよ」
(母・田中宏美さん)
「(メッセージを受けて)気を付けて帰ってきてね」
(朝陽くんはBoTトークから流れる母・宏美さんの音声を聞く)
(母・田中宏美さん)
「(初めは)防犯の意味合いが大きかったが、(災害時など)何かあった時に子供から発信できるのがありがたい」
(田中朝陽くん)
「(家と学校は)遠い。暗い時がちょっと(大変)」
(母・田中宏美さん)
「お守り。子供にとっても、親にとっても」
◆大阪南部地震でも効果を発揮したという「BoTトーク」家族内の災害時の解決力向上に貢献
商品ユーザーの中には、実際に災害時に役立ったというケースも。
(ビーサイズ 八木啓太社長)
「大阪の南部で地震があった時に電車が止まった。ちょうどその電車に乗っていた子供がとある駅で足止めをくらったが、親がBoTトークを見て子供が駅で止まっていることが分かり、迎えに行き子供と合流できた。日頃から使っているツールだからこそいつ来るか分からない災害が来た時にもすぐ力を発揮できる。災害時の解決力を家族みんなで高めていくことに貢献できるとうれしい」
この東日本大震災15年のタイミングで、皆さんも今一度、家族で話し合うきっかけにしてほしいです。