島根県浜田市出身の重兼柊馬さん、東京を拠点に「アスリートシェフ」として活動しています。
全国でも数少なくあまり耳にしない仕事ですが、スポーツ選手の体づくりやコンディション調整を食事の面からサポートする重要な役割を担っています。
2月22日、これから始まる料理教室の準備をしているのは重兼柊馬さん。
スポーツ選手の体づくりやパフォーマンスを食事の面から支える、全国でも数少ない「アスリートシェフ」です。
重兼さんは浜田市出身で、現在は東京を拠点に活動。
プロ野球・埼玉西武ライオンズの渡邉勇太朗投手やサッカーJ1・東京ヴェルディのディフェンダー、鈴木海音選手などの食事をサポートしています。
アスリートシェフ・重兼柊馬さん:
競技が違うとその分必要な栄養素とか少しは変わるので。(サポートしているのが)ピッチャーの選手なので、例えばサッカー選手と同じぐらいの量を食べると、体重が増えやすくなったりする。
「アスリートシェフ」として、重兼さんは選手の自宅を訪問、希望に合わせてその場で調理したり、作り置きにしたりして食事を提供しています。
管理栄養士の知識も活かし、実戦や練習を通じて選手のコンディションを把握、競技の特色や選手のポジションに合わせた料理を用意します。
アスリートシェフ・重兼柊馬さん:
豆乳で今回は伸ばします。牛乳でもいいんですけど、アスリートの場合は結構脂質管理も徹底してやるので、そういった意味でも豆乳を使うようにしてます。
この日は、スポーツをする子を持つ親たちに食の重要性について知ってもらおうと、故郷の浜田市で初めて料理教室を開きました。
アスリートシェフ・重兼柊馬さん:
少しカルシウムを足したいっていうのでクリームチーズを使います。
この日作ったのは3品。
カルシウムを取れるようにとクリームチーズを入れた「キンパ風混ぜごはん」に「豆乳ミートソースうどん」と「豚しゃぶブロッコリーの塩こうじ白和え風」。
運動後不足する糖質、タンパク質をおいしく補給でき、疲労回復にもおすすめのレシピです。
参加者:
うれしいです。全然(レシピを知る)機会がないので。
参加者:
作りたいです。
初めての料理教室は好評でした。
アスリートシェフ・重兼柊馬さん:
もしもし、お疲れです。
教室を終えたあと重兼さんが電話した相手は…。
ヴィッセル神戸・佐々木大樹選手:
はじめまして、佐々木です。
サッカーJ1・ヴィッセル神戸の佐々木大樹選手。
チームのエースナンバー「13」を背負う攻撃の要です。
アスリートシェフ・重兼柊馬さん:
大樹は小学校、中学校一緒でずっと仲良くて、こっちに帰ってきた時はよく遊んだりしている。
佐々木選手も浜田市出身で、重兼さんとは幼馴染。
2023年から約1年半、重兼さんが専属のアスリートシェフを務めました。
ヴィッセル神戸・佐々木大樹選手:
とてもおいしいですね。
アスリートシェフ・重兼柊馬さん:
嬉しいね(佐々木選手は)ハヤシライスが好きなので。あと味噌汁を前につくってたんですけど、味噌汁は結構好きだったイメージがある。
食事の味は「お墨付き」ですが、パフォーマンスへの効果は…。
ヴィッセル神戸・佐々木大樹選手:
(料理が)あんまり大事だと思っていなくて、正直最初は食べてるだけだったんですけど、それが走行距離とかにも大きく影響したので、本当に大事なんだなというのは、(重兼さんの)料理を通じて感じましたね。
重兼さんがサポートしたこのシーズン、佐々木選手は34試合中33試合に出場7得点を決めるなど、キーマンとして活躍。
チームも翌年にかけてリーグ2連覇を達成しました。
サポートした選手の活躍がなにより嬉しいという重兼さん、アスリートシェフを志したのは、高校時代のある苦い経験がきっかけでした。
アスリートシェフ・重兼柊馬さん:
ずっと野球やっていたんですけど、高校の時に大事な試合で足をつってしまって。
ピッチャーだった重兼さんは高校2年生の時、大切な試合で太ももがつり、途中で交代。
チームは逆転負けを喫しました。
この経験のあと、日頃の食事に意識してナッツやじゃこを取り入れ、カルシウムやマグネシウムを取るようにすると足がつることが減り、スポーツ選手にとっての食事の大切さを実感したと言います。
その後、幼馴染の佐々木選手がトップチームに昇格すると、自分がサポートしたいと栄養について学べる大学に進学、食について知識を深め、佐々木選手の専属シェフになりました。
こうして思いがかなった重兼さん、次に目指すのは…。
アスリートシェフ・重兼柊馬さん:
なかなか国内でやられているかたは多くないと思っていて、同じ職業を目指す人は増やしたいと思うし、増えて欲しい。
まさに「体が資本」のアスリート。
重兼さんはシェフとして選手を支えながら、日々の食事の大切さを伝えていきます。