島根・松江市の私立開星高校で2月28日に卒業式を迎え、156人の卒業生が学び舎を後にした。
2025年夏に8年ぶり11回目の甲子園出場を果たした野球部の3年生たちには、野々村直通監督から特別なプレゼントが贈られた。それは監督自身が1か月半かけて描き上げた手作りの似顔絵だった。
156人の卒業生が旅立ちの春
卒業式では、在校生や保護者が見守る中、小山内校長から卒業生一人ひとりに卒業証書が手渡された。
卒業生代表の高橋壮太さんは「何気ない日常の中で交わした言葉や笑顔が私たちを支えてくれました。この3年間は、知識だけではなく人として土台を築いた時間だったと感じています」と答辞を述べ3年間を振り返った。
“山陰のピカソ”野々村監督の恒例セレモニー
卒業式の後、野球部では恒例の卒業セレモニーが開かれた。ユニフォーム姿はもちろん、グラウンド外では着流し姿など個性的なファッションでおなじみの野々村直通監督。現在74歳のベテラン監督が卒業する部員たちに贈ったのは、監督自身が描いた似顔絵だった。
教員時代の担当科目は美術で、「山陰のピカソ」とも呼ばれる野々村監督。この似顔絵のプレゼントは約30年前から続く恒例のお祝いだ。今年は色鉛筆を使い、卒業生23人分を1か月半ほどかけて丁寧に描き上げた。
「この写真を見て描きました。そのまま描いてますから普通の人にはできませんので、おめでとうございます、頑張って」と野々村監督が語るように、似顔絵には部員一人ひとりへの思いを込めた四字熟語が添えられている。
「力のない人を助けてあげる」野球を通じて学んだ人生の教訓
野々村監督は卒業する部員たちに対して「素晴らしい開星の3年間を送ったので、それを誇りにして自信にして、ただ、力で相手を威圧しない、逆に力のない人を助けてあげる、それが本当の勇気だ。そういう男になってください」とはなむけの言葉を贈った。
元キャプテンの藤江来斗さんは「この似顔絵もらうために3年間頑張りました。消防士になるが、消防士もチームで動くので僕が先頭に立っていけるように技術などを身に着けていきたい」と将来への決意を語った。
松浦愛珠さんは「怒られても耐えれる気持ちを磨かしてもらったので、そのおかげで野球も精神力も強まって甲子園行けたと思うので、監督のおかげです。特に似てるのは目じゃないですか。薄目というか、似てるかなと思います」と監督への感謝の気持ちを語った。
唯一無二の“宝物”を胸に新たなスタート
野球の技術だけでなく、人として大切なことを教えてもらった3年間。監督から託された手作りの似顔絵という宝物を胸に、卒業生たちはそれぞれの道で新たな一歩を踏み出していく。甲子園という夢舞台を経験した彼らが、今度は社会という新しいフィールドでどのような活躍を見せるのか期待が高まる。
(TSKさんいん中央テレビ)
