多くの感動を残し閉幕したイタリアのミラノ・コルティナ五輪。日本は冬季大会では過去最多の24個のメダルを獲得しました。12人が選出された長野県勢。初のメダル、ラストレースなど活躍を振り返ります。

■大けが乗り越え母に捧ぐ「銅」

2月6日に開幕したミラノ・コルティナ五輪。長野県勢は12人が選出され、会場ごとに分散して開かれた開会式でも笑顔で行進しました。

スキージャンプ女子、野沢温泉村出身の丸山希選手(27)。

5年前の大けがを乗り越えたどり着いた夢の舞台。地元・野沢温泉村からも応援が送られる中、最初の個人ノーマルヒルに臨んで運命の2回目―。

実況:
「メダル確定。丸山希」

安定したジャンプで今大会日本勢第1号のメダルを獲得!

5年前、着地時に負った大けがで北京五輪の出場が叶わなかった逆境を乗り越え、高校3年時に他界した母・信子さんに捧ぐ銅メダルです。

丸山希選手:
「ここまで来るのにすごく時間がかかりましたし、それでもこうしてメダルを手にすることができて自分の一つの夢をかなえることができて幸せです。母もまさか私がメダリストになるとは思っていなかったと思うので、帰ったら報告したい」

父・守さん:
「家内が亡くなってから自分でやる気になったと思います。ようやくたどり着いた五輪で、初戦でメダル取れたことが本当にうれしい」

丸山選手は、続く混合団体でも銅メダルを獲得しました。

■「次の五輪はメダルを」

女子アイスホッケーには軽井沢町出身・秋本なな選手が出場。チーム最年少の16歳はディフェンダーとして奮闘しましたが、1次リーグで敗退しました。

リュージュ男子1人乗りには飯綱町出身・小林誠也選手(24)が出場し、総合25位でした。

クロスカントリースキー3種目に出場した山ノ内町出身・馬場直人選手(29)は、本命の50キロクラシカルで26位でした。

馬場直人選手:
「次の五輪も必ずここに戻ってきて、日本人初であるメダル獲得、入賞を果たしたい」

スキークロスには飯山市出身・小林竜登選手(30)が出場し、惜しくも1回戦敗退でした。

小林竜登選手:
「悔しい気持ちはあるんですけど、しっかりやりきれた部分はあったので満足はしています」

フリースタイルスキーの白馬村出身・近藤心音選手(23)は、公式練習で左足を大けがし、無念の棄権となりました。

■悔しさバネに4年後のリベンジ誓う

スピードスケートには県勢4人が出場しました。南牧村出身の佐々木翔夢選手(20)は、男子マススタートで予選を勝ち上がり決勝へ進みましたが、3位集団から抜け出すことが出来ず10位でした。

佐々木翔夢選手:
「全種目すごく悔しい結果に終わってしまったので、次にその悔しさをつないでいければなと思います」

5000メートル団体パシュートは最下位で、佐々木選手は4年後のリベンジを誓います。

男子500メートルには長野市出身・倉坪克拓選手(24)が出場。不運にも前日に腰を痛め、実力を発揮できず19位でした。

倉坪克拓選手:
「今回は調子を維持することができなかったのですごく悔しい思いをしたんですけど、また4年後さらに強くなって帰ってこられるように、これから頑張りたいと思います」

■会心の滑り!山田選手7位入賞

女子1000メートルには諏訪市出身・山田梨央選手(28)が出場。母校・伊那西高校からも応援が送られる中、会心の滑りで7位入賞を果たしました。

山田梨央選手:
「緊張もものすごいものがあったんですけど、自分のやりたい滑りができたと思うので、自分の中ではやりきることができた」

500メートルも自己ベストに迫るタイムで9位でした。

■親子2代の夢 涙の銅メダル

女子団体パシュートの3位決定戦には、下諏訪町出身・野明花菜選手(21)が出場。初のレースで緊張しバランスを崩す場面もあったものの、最後まで滑り切り、銅メダルを獲得しました。

重圧から解き放たれ―。

野明花菜選手:
「頭が真っ白ですごく緊張したんですけど、先輩たちがつないでくれて立ったスタートラインだったので、感謝しかないというか、自分の経験としてまた強くなって戻って来られたらいいかなって思ってます」

野明選手は両親とも1998年の長野五輪に出場したスケート一家。母親の三枝さんは―。

母・三枝さん:
「周りの選手とかコーチたちが花菜をちゃんとした状態で送り出してくれたことに感謝ですね。プレッシャーと対峙することで精一杯だったと思うので、お疲れさまという一言です」

■「レジェンド」のラスト五輪

「レジェンド」の最後の五輪。ノルディック複合の白馬村出身・渡部暁斗選手(37)です。17歳の高校生の時から6大会連続出場。3大会連続でメダルを獲得してきましたが、金メダルは手にできていません。

2025年10月、今季限りでの引退を表明―。

渡部暁斗選手:
「2月のイタリアで、季節外れの満開の桜を咲かせて終わりたい」

今大会でも個人種目でのメダル獲得はならず、団体スプリントが五輪ラストレースとなりました。「後継者」の山本涼太選手(木島平村出身)と金メダルを目指します。

地元・白馬村から熱い応援が送られる中、先頭集団に食らいつきますが、山本選手が転倒に巻き込まれ順位を落とします。それでも渡部選手は前を追い続けました。「レジェンド」の五輪ラストレースは6位入賞でした。

渡部暁斗選手:
「(これまでの競技人生は)桜咲いてましたね。満開だった。ここにきて季節外れの桜を咲かすことはできなかったんですけど、最後の花びらの1枚が散っていくまで皆さんに見ていただけたと思います。最後に道半ばに散っていった桜がこの先を行く若い選手たちの道しるべみたいなものになってくれたら本望」

山本涼太選手:
「(複合競技の今後を)託していただいていいんですか?」

渡部暁斗選手:
「託します」

山本涼太選手:
「託されるみたいなので、まずはもう一度、表彰台を目指してやっていきたい。暁斗さんを超えられるような成績を出し続けていければいい」

インタビューが終わった直後―。

渡部暁斗選手:
「一言いいですか。皆さん、応援ありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです」

多くの感動を残し17日間の熱戦に幕を下ろしたミラノ・コルティナ五輪。4年後は、フランスのアルプス地域で開催されます。

長野放送
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