高知市にある土佐塾中学・高等学校。その校舎内に足を踏み入れると、見慣れた学校の風景の中に、あの「青と緑のライン」が目に飛び込んできます。 県内の学校施設内としては初となる「コンビニエンスストア」が、1月14日にオープンしました。

かつての食堂スペースを活用し、広々とした店内で買い物楽しむ生徒たち
かつての食堂スペースを活用し、広々とした店内で買い物楽しむ生徒たち
この記事の画像(5枚)

多くの生徒でにぎわう店内。実はここ、昨年までは「食堂」だった場所です。なぜ食堂はコンビニへと姿を変えたのでしょうか? その背景には、全国の学校が抱える切実な事情がありました。

食堂跡地が広々としたコンビニへ

「今日のランチ、何にしようかなぁ」 休み時間になると、生徒たちが続々と集まってきます。 かつて厨房があったスペースまで店舗として活用されているため、一般的なコンビニよりも通路が広く、友達同士で話しながら商品を選べるゆとりのある空間になっています。

パスタやラーメンなど、食べ盛りの生徒も満足の豊富なメニューが並ぶ
パスタやラーメンなど、食べ盛りの生徒も満足の豊富なメニューが並ぶ

品揃えも学校ならでは。約1000種類の商品の中には、生徒への事前アンケートで要望が多かったボールペンやシャープペンシルなどの文房具も充実しています。そして、生徒たちの胃袋を支えるのが、ずらりと並んだお弁当です。

「いつでも買える」が安心感に

このコンビニの大きな特徴は、利便性の高さです。 平日の日中は店員さんがいますが、土曜日の一部や日曜・祝日は無人営業に切り替わります。生徒たちは身分証明書で入店し、セルフレジで電子決済が可能。 部活動で遅くなった帰りや、休日の練習時にも「温かいご飯」や「ちょっとした補給食」が手に入る環境が整いました。

休日の部活動生も利用可能。セルフレジを活用したスマートな購買体験
休日の部活動生も利用可能。セルフレジを活用したスマートな購買体験

生徒からは「食堂がなくなって寂しかったけど、こんなにいっぱい商品があって楽しい」「朝ごはんを食べ損ねて遅刻しそうな時も、ここで買えるから安心」といった喜びの声が上がっています。

「食の持続性」を守るための決断

明るい話題の一方で、導入の背景にはシビアな現実もありました。 近年、物価高騰などの影響で、学校食堂の運営は厳しさを増しています。実際に、県内でも業者の撤退が相次ぎ、新たな引き受け手が見つからないケースも少なくありません。 土佐塾中・高でも、長年親しまれた食堂が営業を終了。そこで学校側は「食の持続性」を確保するため、コンビニとの協業に踏み切りました。

温かい食事は学校生活の活力源だ
温かい食事は学校生活の活力源だ

草鹿広校長は、「朝から夜の部活終わりまで食事が提供できることは、生徒にとっても大きなメリット」と語ります。 単なる「便利なお店」としてだけでなく、学校生活を支える福利厚生、さらには災害時の避難所機能としての役割も期待されるこのコンビニ。 変化する時代の中で、学校の「食」も新しい形へと進化しているようです。

高知さんさんテレビ
高知さんさんテレビ

高知の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。