神戸市北区のマンションで、生まれたばかりの赤ちゃんの遺体が見つかった事件で、神戸地検は母親を傷害致死などの罪で起訴しました。

母親は出産した翌日に、未受診の妊婦を受け入れる熊本県の慈恵病院に相談していて、院長は「起訴内容は当たらないと考えていますとコメント。

さらに「これが有罪になれば、産婦人科未受診の女性が自宅などで出産し死産になると、ほぼ自動的に逮捕・有罪になってしまう」とも述べています。

■母親は殺人容疑について否認…「傷害致死・遺体遺棄の罪」で起訴

起訴状によると、神戸市北区に住む24歳の母親は先月、自宅で出産した女の子の首をつかんで圧迫し死亡させた傷害致死の罪と、遺体を袋に入れてクローゼットに隠した死体遺棄の罪に問われています。

母親は警察に死体遺棄の疑いで逮捕された後、司法解剖の結果などから今月6日に殺人の疑いで再逮捕されていました。

逮捕後の警察の調べで、母親は「赤ちゃんが生まれたことが他人にばれると思って、首を右手でつかんだ」と話す一方、殺人容疑については一貫して否認していました。

■母親は出産翌日・未受診妊婦の相談受け入れる病院にメッセージ

この事件では、母親は出産翌日に、未受診妊婦からの相談を受け入れる熊本県の慈恵病院にメッセージを送っていました。

<母親のメッセージより>
「すでに赤ちゃんが息をしていない」
「気が動揺してしまい出血も多かったためすぐに動けず」
「もしかして私は逮捕されしまうのではとパニックになってしまい…」

慈恵病院はこのメッセージを受けて「助けを求めている」と判断し、母親の保護のために警察に連絡。

しかし、情報を受けた兵庫県警は死体遺棄や殺人の疑いで逮捕に至り、慈恵病院の蓮田院長は「証拠隠滅や逃亡の可能性が低いことから、逮捕は適切でない」と警察に抗議していました。

■未受診妊婦受け入れる慈恵病院院長は「これが有罪になれば犯罪誘発も」

今回、傷害致死罪などでの起訴を受け、慈恵病院の蓮田院長は次のコメントを発表しました。

「殺人の容疑が傷害致死に変わったことは、当初の警察の認識が誤りであったことを示す第一歩だと思います。しかし私は報道に発表された傷害致死罪と死体遺棄罪という起訴内容は当らないと考えています。

もしも、これが有罪になれば、産婦人科未受診の女性が自宅などで出産し死産になると、ほぼ自動的に逮捕・有罪になってしまいます。それを恐れて、今後、死産児の遺体を隠したり遺棄したりする女性が出かねません。犯罪を誘発するルールができてしまう可能性を心配します。

被告となってしまった女性は気の毒ですが、無罪を信じてがんばっていただきたいです。
過去には最高裁で逆転無罪となった事例もありますのであきらめるべきではありません。

この事件の裁判が孤立出産における死体遺棄の考え方を司法や社会に問いかけ、整理されるきっかけになることを祈ります。」

関西テレビ
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