2月21日午後1時、一番太鼓の音が響き渡った。勝山左義長まつりの幕を開けだ。厳しい冬に耐えた人々が、春の到来を前にして浮かれる様子を表現したとされるこの祭りは、福井・勝山市で300年以上の歴史を誇る。
響く「蝶よ花よ」のお囃子
一番太鼓で幕を開けた勝山左義長まつり。
市内12の地区に設けられた櫓では、住民たちが色とりどりの襦袢に身を包み、「蝶よ花よ」のお囃子を披露した。おどけた仕草で太鼓を叩く「浮き太鼓」が多くの人々の心を躍らせた。
花街のお座敷歌から生まれた左義長ばやしは、地区によってテンポや趣が異なる。

かつて櫓に上がれたのは、一人前と認められた成年男子のみだったが、いまは子供たちが伝統を受け継ぐ。

通りには風刺の利いた絵行灯が並び祭りの雰囲気をいっそう引き立てる。
初めて訪れたという人は、「みんなが太鼓を上手に叩いて踊ってるのを子供と一緒に楽しめてよかった」と笑顔を見せた。
途中、“お菓子まき”の大盤振る舞いも。

今年は春のような日差しが降り注ぎ例年にない天候に恵まれたこともあり、2日間の来場者数は去年より1万5000人多い約8万5000人に上った。

祭りは2日間で、最終日の夜には盛り上がりも最高潮に。

各地区の櫓では、祭りの終わりを惜しむかのように、人々が左義長ばやしに浮かれていた。
「どんど焼き」でフィナーレ
そして午後8時、祭りのフィナーレを飾る「どんど焼き」。
各地区の代表が松明を手に市の中心部を練り歩き、九頭竜川の河川敷に到着。14の御神体に一斉に火をつけた。
今年は強風に見舞われ、炎が激しく風にあおられる場面もあったが、御神体は無事に燃やされ、その煙は天高く昇っていった。

どんど焼きの火が収まると、見物客は竹の先に餅を刺した「炎餅」を残り火で焼いて食べた。

春が訪れたような暖かさの中で繰り広げられた今年の勝山左義長まつり。寒い冬を乗り越えた喜びに、会場は2日間、人々の笑顔であふれた。
