「7月~8月に繁殖したダニが死ぬと、死骸が細かくなって空気中に舞います。ダニの繁殖のピークから、1~2カ月ほど遅れた9月~10月にかけてアレルゲンが増える傾向にあります。さらにチリダニなどの小さなダニはツメダニなどの餌にもなります。秋口の大掃除はアレルギーなどのダニ被害を最小化できるうえ、翌年のダニの発生数を減らすことにもつながるのです」

ダニ被害を防ぐうえでは普段から掃除・洗濯を徹底するのがベストだが、忙しい日々を送る中ではどうしてもおろそかになりがちだ。

だからこそ、2~3週間に一度くらいの丁寧な掃除・洗濯を理想として、春先と秋口には必ず大掃除するというのが現実的だという。

 50年近く住居の中のダニ類の生態を研究し続ける医学博士・高岡正敏さん
 50年近く住居の中のダニ類の生態を研究し続ける医学博士・高岡正敏さん

「そもそも、ダニはすべて駆除すればいいというものでもありません。チリダニはほこりを食べてくれますし、カビを食べる種類もいるので、減りすぎると今度はほこりやカビが増えてしまうこともあります。家の中も一つの生態系ですから、ダニもある意味では必要な存在でもあるのです」

肩に力を入れすぎず、できる範囲で掃除と洗濯をすればいいというのが高岡さんの考えだ。

まずは春の大掃除から、無理のない範囲でダニ対策してほしい。

高岡正敏(たかおか・まさとし)
株式会社ペストマネジメントラボ 代表
医学博士、獣医師
1971年に日本獣医畜産大学卒業。1972年から東京大学医科学研究所寄生虫研究部でダニの研究を始める。埼玉県衛生研究所環境衛生部技術吏員や埼玉医科大学非常勤講師などを兼務し、住居内のダニに関する調査を続けて膨大なデータを集める。2008年埼玉県衛生研究所を定年退職し、アレルギー疾患に対する治療法と予防法を確立するため株式会社ペストマネジメントラボを設立。著書に『お父さん、お母さんが知っておきたい ダニとアレルギーの話』、『ダニ病学』、『ダニの生物学』等。

取材・文=秦 大輔

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