高知の伝統工芸「土佐打刃物」の職人を育てようと、県外から若者たちを招いた「産地留学」が香美市で行われています。

伝統の職人技を学ぼうと『留学生』たちが訪れているのは土佐打刃物の産地・香美市土佐山田町。後継者の育成を目指して7年前につくられた「鍛冶屋創生塾」です。

明神康喜 記者:
「工房にはかなづちのトンカンという音が聞こえます。包丁の歪みを直す作業なんですが、力加減を間違えると内側の鋼を割ってしまうという、実に繊細な作業なんです」

『産地留学』の『留学生』は千葉や兵庫などからやってきた高校生から38歳までの6人。指導にあたるのは「鍛冶屋創生塾」のOBの職人6人で、ほぼマンツーマンの態勢です。

炎で850度に熱した鉄をハンマーでたたき成形する「延ばし」という作業から仕上げまで、全ての工程を2日かけて体験しました。

福岡から参加した入江綾乃さん・21歳。地元博多の伝統的なハサミに以前から関心を持っていて刃物職人になることを夢見ています。

福岡から・入江綾乃さん:
「何回も火に入れて、叩いてっていうイメージがあったんですけど、皆さん作業が速くて、火から出して一発で形を整えるのが、とても驚きました」

先輩たちの指導のもと、包丁作りの工程をひとつひとつ重ねていきます。最後に柄を付けてできあがりです。

福岡から・入江綾乃さん:
「わからないことだらけの中、皆さんが優しく教えてくださったおかげで形になって(百点満点で)120点ぐらい。アルバイトで飲食をやっているんで、(店で)使いたいと思います」

全国各地の伝統工芸と職人希望者の橋渡しをするニッポン手仕事図鑑が募集を行ったところ、土佐打刃物を19人が希望し、うち11人が女性だったということです。国の事業で『留学生』には交通費や宿泊費が支給されます。

地元の職人たちは、このような支援制度をきっかけに職人の仕事に対する関心をもっと深めてほしいと期待を寄せています。

指導にあたった鍛冶屋創生塾OB・富永智也さん:
「いろいろ伝統工芸がある中で、これ(土佐打刃物)をチョイスして来てくれたというのはうれしい。刃物に興味を持って、今後、土佐打刃物に関わってくれたらうれしい」

2日かけて自分の土佐打刃物を作り上げた『留学生』たち。『産地留学』最終日の2月18日は香美市内の鍛冶職人の工房を見学します。

高知さんさんテレビ
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