自民党の圧勝に終わった今回の衆院選。候補者たちの熱い訴えが続いたこの12日間の選挙戦の裏側で同じく熱量を持って応援演説に臨んでいたのが新潟県の花角知事だ。26年5月に控える知事選へ水面下での準備を進めていたようだ。
花角知事 衆院選の応援演説で“今後の連携”強調
新潟県内5つの小選挙区で自民党がすべての議席を獲得した今回の衆院選。
選挙期間中、各候補者がしのぎを削り、熱い訴えを繰り広げた一方で、同じ熱量を持ってマイクを握っていたのが、自民党の支援を受けながら2018年に初当選、現在2期目を務めている花角知事だ。
衆院選では要望があり、日程調整がつく場合には、集会などに参加していた花角知事。その応援演説などで強調していたのが“今後の連携”だ。
花角知事:
高鳥先生と連携をしながら、この新潟に成長のための投資を呼び込んで、活力のある新潟を、強い新潟をつくってもらいたい。(2月1日)
花角知事:
鷲尾さんと一緒に連携をして、この新潟を活力のある元気な地方にしてもらいたい。(2月5日)

国政を担う国会議員との今後の連携を誓った一方で、選挙期間中に行われた会見でその進退を問われると「これから検討します」と明言を避けた。
しかし、これまで知事を支えてきた自民党の県議や市議はすでに知事選に照準を定めているようで、知事の決断を後押しする場面も見られた。
衆院選での“全勝”追い風に 自民の支援受け5月の知事選出馬へ
また、花角知事に対して3期目の出馬を要請している自民党県連や今回の衆院選の当選者たちは衆院選の勢いそのままに知事を支援する考えだ。
自民党県連の岩村良一幹事長は「この選挙の結果は、知事選の環境づくりにとっては非常に良い結果であったなと考えている」と話し、佐藤純県議も「これは知事にとって非常に追い風になると思う」と話した。
また、新潟5区で当選を果たした高鳥修一氏も「非常に人格円満な立派な方だと思っていますから、しっかりお支えをしていきたいと思う」と意気込んだ。
こうした声を受けてか、花角知事は、3期目への出馬の意向を固めたことが分かった。2月18日の新年度予算案の発表会見で明らかにするとみられている。
衆院選前は“対抗馬擁立”の考えも…
一方、25年末に対抗馬を擁立する考えを示していた立憲民主党県連。
当時、西村智奈美代表は「県知事候補については、やはり擁立を検討する。そういう責任があるんだと思っている」と話していた。
原発再稼働容認の考えを示していた花角知事に対し、県民合意のない原発再稼働は認められないという声明を出し、このときは候補者擁立の方針を確認していた。
立憲民主党に所属していた元知事で前衆院議員の米山隆一氏は衆院選の公示前、自身の出馬について「そのときの情勢で考えさせていただきます」と出馬の可能性を否定しなかった。
しかし、2月8日に投開票された衆院選で中道として立候補した米山氏含む元立憲民主党の国会議員たちは小選挙区で全敗。
一変した状況に選挙を下支えする県議からは「候補擁立ということができるのかどうか、そこはもう一度考えてみないとダメなのでは。これだけ弱く、選挙に負けてしまうと…」「今はまだ何も分からない。今回の結果を踏まえて、またしっかり対応していきたい」と声を落した。
全敗の中道「状況大きく変わった」 新党結成は“争点”にも影響
比例復活を果たした西村智奈美氏と菊田真紀子氏も知事選への候補者擁立の動きについて、これまでとは違った認識を示している。
西村氏は「こうなってしまうと、その状況(候補者擁立の動き)は大きく変わったと思う。なので、今は状況が変わったというところまでしか申し上げることができない」と話し、菊田氏も「ちょっとそこまで思いが至っていないので、今の時点ではコメントできない」と話した。
知事選への出馬の可能性について否定していなかった米山氏は落選後、「そもそも党次第。党が持つかどうかの問題はある。あらゆる可能性を検討する」と述べるにとどめた。
さらに、これまで“原発ゼロ”を掲げていた立憲民主党が、原発を容認する立場の公明党と新党を結成したことで知事選の大きな争点となっていた原発政策についても対立軸の明確化が難しくなるとみられる。
高市旋風や新党結成など国政をめぐる大きな動きで与野党の明暗を分けた今回の結果は、5月に迫る知事選にも大きな影響を与えそうだ。
