2017年は、トランプ大統領就任や北朝鮮のミサイル、天皇陛下退位の決定や眞子さま婚約、働き方改革や小池旋風、衆議院議員選挙など様々なことがあった。

2018年は一体どんな一年になるのか。

今回は、フジテレビ皇室担当の解説陣による座談会、第2回目。

今後皇后になられる雅子さまの体調とお気持ち、そして愛子さまの学生生活は順調なのだろうか。

 
 
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地方公務の機会が増えた雅子さま

橋本寿史:
去年は、特に7月以降は、雅子さまの地方のご公務がすごく増えました。陛下のご退位に絡み、皇后さまになられるという思いがあるのでしょう。

宮﨑千歳:
重い役目をきちんと引き継がなければっていう決意がおありになるのでしょう。ここ何年か、少しずつご公務を広げてこられ、2017年はさらにステップが上がられた。

橋本:
何か公務をやったら、それはできたこととして、次へという形で進まれているような気がします。
ご体調の面もすごくいい回復の段階にあるのかなという気がする。だんだん良い笑顔になられています。

宮﨑:
お出になる機会が増えていくと、その一つ一つが自信になられて、それでまた次の機会に繋がるという良い循環になっている気がします。愛子さまも高校生になって学校に慣れてこられて、ご自分の力で学校生活を楽しく送られているというところも背景としてはあるのかなと思います。

雅子さまを理解し、共に歩まれる皇太子さまの心遣い

橋本:
そういった意味では皇太子さまが、雅子さまのご様子を良く理解したうえで、いろんな形で雅子さまと歩む形が出来てきている気がします。

宮﨑:
雅子さまは、去年地方に何度も行かれましたが、一緒に行かれるときは1泊2日の日程なんですね。まだ体調の波がおありなので、2泊3日になると3日間体調をキープするのはハードルが高い。

でもそれを1泊2日にコンパクトにすることで雅子さまも同行しやすくなって、機会が増えると、ここまでできたから、この行事も出られるんのではないかとか、先月これができたから来月これを頑張ります、という風に、ご自身もいろいろ体調の調整や工夫を重ねられ、周囲もそれをお支えしているのかなと。
ご自身と周囲の息が合って今年の活動がさらに広がったということもあるのかなと思います。

宮﨑:
外国訪問の場合、一国訪問すると首都と地方都市とそれぞれで大事な行事があり、4~5日なり1週間になります。その期間良い状態をキープするのはハードルが高いけれども、新国王の即位式や戴冠式の場合公式行事は式典と食事会くらいで、雅子さまもそこに照準を合わせればクリアできる。
一般的には2国間の国際親善の訪問となると毎日3つ4つ行事があって、次の日は違う都市に移動して、という日程はまだハードルが高いんです。
ご公務をどういう風に増やしていくかについては、状況に応じて医師にも相談の上、基本的にお二人で考えてらっしゃると思いますね。

橋本:
だから逆に言うと、ご自身の中で、自信をもってやれるとなった時に初めてされるようになります。まだご夫妻の中では、GOサインではないんです。

宮﨑:
1泊2日の地方訪問の場合、メインの行事のために直前の行事はお控えになっているんですよね。それでメインの行事に絶対に出られる。1泊2日の日程でも全部の行事にお出になっているわけではない。

外国訪問の場合、例えばこの都市のこの知事の食事会は出るけども、別の都市のほうは欠席となると公平性とも関わってきてしまい難しくなるんです。去年もマレーシアやデンマーク訪問への同行を検討されたと思うんですが、一国を親善訪問してさまざまな行事を全部こなされるのは、まだ難しいという判断でしたね。

宮﨑宮内庁担当記者
宮﨑宮内庁担当記者

皇后になるということへの覚悟 フルマラソンは期待せず

宮﨑:
また、皇后になられるというプレッシャーも乗り越えていかないといけないという思いは持っていらっしゃると思います。ただ最初から全力で走れるかといったら、それは難しいのかなと。

今年ずいぶん飛躍されましたが、来年再来年にはすべてフルマラソンのように全部の行事にお出になられるというより、そこは少しずつ調整しながらできる限りなさっていくのではないかと思います。

橋本:
一歩一歩進まれてここまで来ているので、こちらも一気にフルマラソンを望んでしまったら、それはかえってマイナス面が出てくる可能性があります。ただ本当に皇后さまになるという意識はものすごくお持ちの気がします。

宮﨑:
雅子さまは、期待や役目をどのように果たしていくべきかという思いは強く持ってらっしゃると感じますね。

愛子さまの活発な高校生活

橋本:
愛子さまの体調ですが、初期の段階を乗り越えて、今は時々お風邪をお召しになる程度で長期欠席はないですね。もうすっかり高校生活に慣れられたんだと思います。楽しい高校生活を送られているんだろうと思います。

宮﨑:
文化祭でダンスチームのMC的なことをなさったり、校内見学のガイドをなさったり。

橋本:
非常に活発。お友達もたくさんできて高校生活を楽しまれているなと思います。

宮﨑:
また、去年は、外国の王室の方を東宮御所にお招きして、その場に愛子さまも同席をされて一緒に懇談される場を設けられました。通訳なしで愛子さまも自分の学校生活についていろいろお話になり、英語でコミュニケーションをとる場もありました。愛子さまは英語も堪能ですしね。

外国訪問という形ではなくても、東京に来られたお客様に心からのもてなしをしたり、個人的な関係を築いていく。そして愛子さまも同席して外国の王室の方と交流を持つことは、次の世代に向けての準備が始まっているという印象もあります。

 
 

イラスト=さいとうひさし

社会部
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