本当に導入しようという意味ではありません。そこまで処罰を強化しないといけない状況だ、という意味です。
同日の『中央日報』からキム総長の発言を引用してみますと、「虚偽告訴と無分別な告訴による被害が深刻だ」、「日本と比較してみると、告訴・告発の絶対数で韓国が日本より60倍も多い(人口比で約150倍)」、「誣告は司法秩序を乱し、被害者を量産して社会葛藤を助長する悪質な犯罪だ。朝鮮時代の無告罪に対する反坐制度を参考にする必要がある」、などです。

こういうデータを並べてみると、これのどこをどうみれば「ひと言謝罪すれば、スーッと溶けていく」社会になるのか、個人的にもデータ的にも、わけがわかりません。
〝持論もどき〟が蔓延る韓国
ちょっと「一例」の説明が長くなりすぎて恐縮ですが、このように韓国で「○○は○○なもの」たる社会的持論は、理論と現実の溝が広く、深すぎます。
先ほども書きましたが、日韓関係において、何度も謝罪した日本に対し、事実上の「やり直し」を要求し、すべての原因を「お前のせいだ」としている韓国のスタンスからして、さらに言えば韓国内部から極めて一部の学者以外に、こうしたスタンスに異論を述べる人がいない、いたとしても社会的に潰されるという現実からして、一目瞭然です。

「謝ればすぐに許す」など、到底納得できない〝持論もどき〟です。
「伝統人形はなく、伝統人形っぽく塗ったものならある」と書いたばかりですが、持論ではなく、持論っぽく飾っているだけのような、そんな気もします。
メディアは「出土もされていない黄金の冠」を報じた
日本でなにか歴史的な建造物、たとえば建物や橋など、そうしたものを復元するときには、できる限り資料を集めて「元はどんな姿だったのか」を重視します。
だから、出来上がった(復元された)ものは、それぞれ少しずつ異なり、その地域、その時代などによって、さまざまな特徴を持っています。
しかし、韓国では、なぜか復元されたものが「残っていたオリジナルの状態から想像もできない」ものだったり、「どんな地方のものでも見た目が同じ」だったりします。

こうした事象も、オリジナルがどうかよりも、どうであるべきかを重視した結果ではないでしょうか。
社会的持論もまた、似たような方向性を帯びていると言えるでしょう。
そういえば軍事政権だったころ、古い墳墓などを発掘する際、政府は「黄金でできたものが出てくるのかどうか(韓国の歴史を自慢できるものが出てくるのかどうか)」だけ重視し、発掘チームが「やってみないとなんとも言えません」と答えると、支援金がもらえなくなったり、メディアもまた「出土もされていない黄金の冠を報じたりした(キム・テシク国土文化財研究院研究委員、2016年12月19日『時事IN』寄稿文)」との話もあります。
これも同じ心理の現れでしょう。

シンシアリー(SincereLEE)
1970年代、韓国生まれ、韓国育ちの生粋の韓国人。歯科医院を休業し、2017年春より日本へ移住。2023年帰化。母から日韓併合時代に学んだ日本語を教えられ、子供のころから日本の雑誌やアニメで日本語に親しんできた。韓国の反日思想への皮肉を綴った日記「シンシアリーのブログ」は1日10万PVを超え、日本人に愛読されている。初めての著書『韓国人による恥韓論』から第18弾『韓国の絶望 日本の希望』(扶桑社新書)など、著書は70万部超のベストセラーとなる。