そして、このような事例において、仕掛けた人は決まって「弱者が身を守るためにやっただけだ」と言います。
盗聴は「弱者の武器」
実際、東亜日報系列のネットメディア『IT東亜』は2023年8月1日の記事で、盗聴器・録音機などを「弱者の武器という認識が社会全般に広がっている」としています。
多くの国では、このような行為は違法です。『IT東亜』によると、そもそも録音自体を違法とする国もあり、日本、イギリスなど、その利用(通話の録音内容を他人と共有することなど)を違法とする国も多いですが、韓国にはまだそのような法律はありません。
もし法律を作ったら、社会の反発が半端ないでしょう。「私たちの武器を奪われた」と、自称弱者たちが立ち上がるはずですから。
無差別な告訴と「反座制」
この無分別な告訴・告発、そして誣告といった特徴をもっともよく表しているのが、2017年5月2日の「反座制」発言ではないでしょうか。
個人的に、告訴・告発の多さに関しては、いつもこの件を思い出します。連座制ならともかく、反座制とはなにか。
それは、人を誣告、すなわち虚偽の罪で告訴した場合、告訴した人に「その罪」の刑罰を与える制度を意味します。

たとえば、Aという人がBという人を「Bが私の弟を殺しました」と訴えたとします。しかし、調べてみたら噓でした。
その場合、Aには反座制として、Bに被せようとした罪、すなわち「殺人」に値する刑罰が与えられます。これが反座制です。
中国由来のもので、朝鮮半島にも朝鮮時代までありました。
検察総長が「反座制を導入すべき」
2017年5月2日、当時検察総長だったキム・スナム氏は、幹部会議で「告訴告発、そして誣告が多すぎる」としながら、「反座制を導入すべきだというのが、法律関係者たちの率直な心境である」と話しました。