都内で相次いでいるホストと見られる男性とのトラブル。

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「めざまし8」は、金銭トラブルなどの相談を受ける団体や、ホストに人生を狂わされたという女性の親を取材。研修メモにかかれた「マインドコントロール」の文字の意味とは?

ホスト研修メモに「マインドコントロール」「鎖をかける」

ホスト被害を受けた女性やその保護者を支援する、「青少年を守る父母の連絡協議会」の玄秀盛代表。見せてくれたのは、半年前にホストを辞めた男性から入手したという、1冊のノートです。

Q. 「お金を払ってでも関係を作りたいと思える存在」という部分に赤線引いてますが?
玄 秀盛代表:

これは、あるホストの子が勉強会で使っていたもので。ホスト業とは要するに、彼氏や旦那では女性はお金を払わない。それ以上のものじゃないと、価値を見出せないとお金を払わない。そういう存在にならないと意味がないと。

内容は、ホストクラブの研修内容を新人ホストがメモしたもの。ホストの心得やテクニックなどが書かれていて、ホスト向けのいわゆる“マニュアル”のようなものだといいます。

ノートに赤字で書かれた、『マインドコントロール「鎖をかける」』という文字。

『例:他店に行けなくする。「好きな担当がいるのに他店に行く女の子ってなんなんだろうね」と姫に言う。』

これは、「地雷をおく」というテクニックで、客の女性との会話の際に、暗に自らの「嫌いな女性像」を伝えることで、女性の行動を制限し、理想の女性に仕立てていくというもの。ホストは、このような様々なテクニックを実践しているといいます。

玄氏が入手したホスト研修の内容がかかれたノート
玄氏が入手したホスト研修の内容がかかれたノート

玄 秀盛代表:
愛とかっこよさで、そこでちょっと(女性は)つかまれる。で、LINEで「おはよう」から「おやすみ」から「今日はありがとう」から。とにかくもう1日、100通ぐらいで、どんどん、(女性の心は)少しずつ傾いていく、というやつですよね。

ターゲットにされやすいのは、地方出身で友達が少ない一人暮らしの女性。

女性の心理や家庭環境からできた、心のスキ。それを巧みに操り、自分に依存させる状況を作っていくというのです。

玄秀盛代表:
ちょっと家庭のこと言ってみたり、仮に付き合っていた元彼のことを言ってみたりで、ちょっと愚痴っぽくよね。最初は親の愚痴とか家庭関係のことに対して、味方になって、「じゃあ、僕が代わりにまあ聞くよ」と「僕でよかったら」とね。で、そうやって聞きながら、ちょっとこっちに相当食いついたなと思ったら、今度は逆に「家族を大切しないとね」「まずお母さんを味方につける」とね。「お母さんのことを常に大切しないと」って、逆のことをやります。なんでいうたら完全に家から切れたら、もし逃げられたら(親から売掛金を)請求できへんから、だから(女性と親を)つかず離れずっていうのはホストの原則です。

Q.なぜそこまでホストにハマってしまうのでしょうか?
玄 秀盛代表:

100何件もデータを見てて、ある家族がふっと、「まだ(アイドルの)追っかけやっているほうがよかったね」と。(ホストにハマる女性は)結構意外とそういうファンの子が多かったんですよね。3、4割ぐらい。間近に“リアルアイドル”がいて、優しく微笑んで声かけてくれると、やっぱりそこに心の隙間でほだされていって、ほぐされていって、あ、私のこと、これだけ思っているんだ、そこからファン的なもので“推す”ようになっていくんですよね。

娘がホストにはまり苦悩…母親の悲痛な思い

ホストにはまった結果、積み上がっていく“売り掛け”と呼ばれる、後払いの“ツケ”。
中には、売掛金を支払うために、風俗店で働き始めるという女性もいるといいます。

めざまし8が10月に取材した、19歳の娘が多額の売り掛けを抱え、その支払いのために風俗店で働いているという母親。

売掛金を払うために娘が風俗で働く 母親Aさん:
私はなんとか子供の命を守りたい。結局、支援している方とかに聞いても、25歳ぐらいまでは商品価値があるから、その間はぐるぐる、こう回っているけど、結果的には商品価値がなくなったら捨てられる。捨てられた後、どうなるか、というと、大体精神疾患、身も心もボロボロになってしまうと話を聞いているので。私はもうこれ性的搾取ビジネスだと思っています。

取材から約3週間。改めて、連絡をしてみると…。

売掛金を払うために娘が風俗で働く 母親Aさん:
(歌舞伎町の刺傷事件は)保護者としては理解ができないわけではないです。このような事件に至らないまでのホストクラブのホストにハマった。女性の家族もトラブルに巻き込まれている人がたくさんいっぱいいるんです

Q. 現在も娘さんはホストの元にいる状況なんでしょうか?
売掛金を払うために娘が風俗で働く 母親Aさん:

そうですね、あれからあのホストの方がまた、今度は結婚をほのめかして。同棲、家を新たに借りて同棲するって、話が出てきました。

ホストから、娘と結婚をするために家を借りると連絡があったといいます。

売掛金を払うために娘が風俗で働く 母親Aさん:
将来設計をホストのほうに聞いても、はぐらかすし、娘には引き続き風俗で働かせると言っている点からも、娘は”金づる扱い”として、この話を持ち出してきたんだろうなっていうふうに思っています。

娘がホストにハマり、苦悩している母親は他にも。 

売掛金を払うために娘が風俗で働く 母親Bさん:
あの非常識ですけども、あのニュース(歌舞伎町の刺傷事件)を見たとき、私はまず自分の娘ではないか?というふうに一瞬をよぎりましたので。

現在、数百万円の売り掛けを抱えているという娘。部屋に残されていた書類は、母にとって衝撃的なものでした。

売掛金を払うために娘が風俗で働く 母親Bさん:
妊娠中絶同意書ですね。うちの娘の署名と相手の方の署名ですね。少なくとも書類上は相手のホストの名前のサインがありました。

娘の部屋に残されていた、中絶同意書のコピー
娘の部屋に残されていた、中絶同意書のコピー

人工妊娠中絶に対する同意書と書かれた紙。署名欄には、娘と“ホスト”の名前が書かれていました。

売掛金を払うために娘が風俗で働く 母親Bさん:
もう…もう何ていうんですかね。ホストに入れ込んでるのは分かっていましたから。
ただまぁ…もう一段階上のショックはありましたよね。道義的に言えば、一人の命を、小さい命を奪ったっていうのは。

トラブルをなくすためには?

本人だけでなく、家族まで苦しめる、ホストをめぐる“金銭トラブル”。

――このようなトラブルをなくすにはどうしたらよいのでしょうか?
玄 秀盛代表:

現実問題としては、“売り掛け”っていう部分をまずブレーキかけることです。青母連(「青少年を守る父母の連絡協議会」)としては25歳未満の青少年、特に女性に関しては「売掛金禁止条例」とか。でないと、去年、成人年齢が20から18歳に下がりましたよね。これで被害が増大したんです。
ましてコロナが開けましたよね?これで60店舗以上はホスト店ができましたから、歌舞伎町というのは、600m四方、そこに300店がひしめき合っているんです。自分はそのど真ん中で毎日見ていますから、うち目の前は、“立ちんぼ通り”と呼ばれて、売春関係の。それも8~9割はホストの支払いなんです。そういうような背景や、やはり売掛金という部分、ホストに“肩代わり”させてホストにとらせているんだから、この悪辣な恋愛詐欺商法を、止めないと。まず1日も早く。
(めざまし8 11月8日放送)