睡眠の質を上げるなら「蒸す」

なすの果肉に含まれているGABAは、60℃の低温加熱をすると約40%増加するため、リラックスしたり、睡眠の質を高めたりするGABAの効果を最大にするのであれば、おすすめは「低温蒸し」。

蒸し器になすを入れたら火を止め、ふたをずらしてしばらく置くことで、60℃程度の温度をキープできます。

またアミノ酸の一種であるGABAは、グルタミン酸などの旨み成分を加えることでも増加します。

「低温蒸し+味噌やチーズを加える」の合わせ技なら、GABAは約2倍に。

そして、なすのナスニンやクロロゲン酸などのポリフェノールが持つ抗酸化性能は加熱することで引き出されます。

しかし成分自体は加熱しすぎると減少するので、高温・長時間ではなく低温加熱、または短時間加熱で。

油を摂りぎないコツと保存法

なすの果肉はスポンジ状になっているため、普通に切って炒めると驚くほど油を多く吸い、仕上がりが油っぽくなってしまうことも。

油を少なめにさっぱりと仕上げるなら、最初に油を絡めておくと◎。

小さじ1の油を絡めることがコツ(『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!』より)
小さじ1の油を絡めることがコツ(『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!』より)

切ったなすに小さじ1の油を絡めてしばらく置いて、しんなりしてきたら調理スタート。レンチン調理の場合も、最初に油を絡めておくとジューシーに仕上がります。

また、暖かい国が原産のなすは、5℃以下の寒いところが苦手。室温が15℃程度までであれば常温保存がおすすめです。

水分が蒸発するとしなびてしまうので、ひとつずつラップに包んでおきます。冷蔵庫に入れる場合には、温度が高めの野菜室へ入れてください。

『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)

監修者:
濱裕宣

東京慈恵会医科大学附属病院栄養部部長。日常生活で活かせる健康と栄養バランスをモットーに、患者の立場に立った食生活に向上指導にあたる

赤石定典
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部。栄養食事指導によって、病態改善・治療・治癒への貢献を目指す

東京慈恵会医科大学附属病院栄養部
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部