兵庫県は、県立はりま姫路総合医療センターで70代の男性患者のCT検査で見つかった肺がんの疑いを見落とす医療事故があったと発表した。

男性患者はその後、肺がんと診断され、治療を受けたが死亡した。

■2022年3月に「肺がん疑い」と記載も確認不足で精査行われず

発表によると、2022年1月、この男性患者が旧姫路循環器病センターで腹部大動脈瘤の手術を受けた際のCT検査で「1cm大の肺結節」との記載がありましたが、患者への説明は行われなかった。

そしてその2カ月後・2022年3月に、男性患者が胸部大動脈瘤の手術のため入院した際、術後のCT検査で放射線診断科医が「結節増大、肺がん疑い、呼吸器内科へのコンサルト要」と記載した。

しかし、入院中の主治医の確認不足により精査は行われず、2022年4月に退院。外来の主治医も入院中に対応済と認識していたため、追加対応を行わなかった。

兵庫県立はりま姫路総合医療センター
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■その後「肺がんのステージ3A」と診断され治療受けるも1年3カ月後に死亡

その後男性患者は、2023年5月に閉塞性肺炎の疑いではりま姫路総合医療センターへ緊急入院となり、この肺がんの疑いに対して未対応であったことが判明。検査の結果、「肺がんのステージ3A」と診断された。

2023年6月から放射線治療と化学療法の併用療法を開始したが、2024年8月に病状が悪化し、患者は自宅で肺がんにより死亡したという。

兵庫県立はりま姫路総合医療センター
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■原因は「情報共有体制が十分に機能していなかった」など

県は事故の原因について、CT検査報告書の既読確認システムは構築していたものの、重要な所見に対する対応状況までを確認するシステムが構築できていなかったと説明。

また、重要な診断情報について、診療科内での情報共有体制が十分に機能していなかったとしている。

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■再発防止へシステム改修も

今後の対応として、既読管理システムに放射線診断科医が重要と判断した所見にチェックを入れる「重要」欄を作成し、主治医や医療安全部へ重要所見があることを通知するシステムに変更したということだ。

さらに、重要な診断情報について診療科内で確実に共有するため、カンファレンス等での確認および所見に対する対応記録の徹底を関係職員へ周知・教育するとしている。

兵庫県立はりま姫路総合医療センター
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関西テレビ
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