高市早苗首相が、1月23日召集予定の通常国会冒頭で、衆議院を解散するとの見方が出てきました。

正月明けて初めての3連休前に、降って湧いた「早期解散論」。これを受けて、野党の動きも活発化しています。

12日には、立憲民主党の野田代表と公明党の斉藤代表が、選挙に向けた協力体制について話し合いを行い、自民党との対決姿勢を強調。
11日にフジテレビの番組に出演した国民民主党の玉木代表は、「“経済後回し解散”になる」と指摘しました。

就任当初は、「経済対策最優先で、解散を考えている暇はない」と話していた高市首相。
本当に早期解散はあるのか? 解散報道の舞台裏を、ジャーナリスト岩田明子氏に詳しく聞きました。
岩田氏「政治基盤の強化」
現在も高い支持率を維持している高市政権、なぜ早期解散の話が持ち上がったのか。
このタイミングでの“解散”を行う大義について、岩田氏は「国力増強」が目的なのではないかといいます。

ジャーナリスト 岩田明子氏:
自民と維新の連立というのは、本当に急いで行った連立で、それでいて政策協議にはものすごく細かいものを合意していますから、早めに信を問うておきたいと。それから、元々高市さんの頭の中には、総裁選を戦う前からできるだけ早く信を問いたいというのはベースにありましたので。政権基盤を強くした上で、維新との連立合意の政策を進めたいし、中国がレアアースの輸出規制強化にどんどんエスカレートしていますから、強い外交を行っていくためにも、政権基盤を強くしておきたいと。

谷原章介キャスター:
政権基盤といいますが、すでに支持率は高いじゃないですか。信を問う前からすでに政権基盤はある程度強固なのではないかと思うのですが?

岩田明子氏:
内閣支持率は国民の支持であって議席数ではありませんので、やはり議席数が確保されていると法案は通りやすいですので。(自民党単独で過半数は)欲しいところだと思います。
一方でフジテレビ解説委員長の松山俊行氏は、「今は“解散風”がどれほど吹くか様子を見ている期間」だと話します。

フジテレビ解説委員長 松山俊行氏:
連立を組んでいる維新からは、途中まで話の進んでいる議員定数削減の問題。先の臨時国会では、法案は提出したけれども成立するところまではいかなかった。
維新の幹部などからは、この早期解散報道が出たことで、「約束が違うのではないか」と、調整していたことが水の泡になってしまうという危惧の声も出ていますので、その辺りの反発がどれくらい出てくるのかと。
もう一つは、協力姿勢を示している国民民主党。年収の壁で一定の合意ができた中で、もうひとつ合意していた内容が、「本予算を年度内に成立するなら協力する」ということだったのに、今回冒頭解散をしてしまうと年度内成立が非常に難しくなる、ほぼ不可能になると。この点をどう考えるのか、すでに国民民主、玉木代表も含めてかなりこの点は「約束が違う」と反発が出ていますので、その辺りの反発がどれくらいの影響が出てくるのか。
あとは自民党の中で早期解散という話はごく側近の中だけで決めているという構図が、自民党の中でも一部反発を呼んでいまして、その辺りの反発がどれくらい大きくなるかも見極めて判断していくことになるかと。
なぜ今?“新しい政治とカネの問題”か…解散の確率は
谷原章介キャスター:
玉木さんの話もありましたが、政策を前に進める、首相になった当初もその後も「解散する暇はない」とおっしゃっていて。連立自体は外形的な数合わせといいますが、最終的な数をどうするかという話であって、中身の政策自体を何か問うものはないのですか?

フジテレビ解説委員長 松山俊行氏:
本予算の中に、ある程度、経済政策を盛り込んでいるわけで。本来であれば年度内成立を優先するべきという考えが、高市さん自身もおそらく去年の暮れまではそういう考えが強かったと思うのですが。
ただこれから先、国会が始まって予算委員会が始まると、また別の要素が出てくるかも知れない。新しい政治とカネの問題、旧統一教会と自民党の関係が報道され、それも追及を受けるかも知れない。あとは連立を組んでいる維新で「国保逃れ」みたいなことが起きているのもあって、そういうマイナス要素を換算すると、そういった審議に入るより、例えば今週は外交ウィークと言われていますが、日韓首脳会談やイタリアのメローニ首相との会談、こういったプラス材料で発信をして、いい材料のまま選挙に突っ込んだ方がいいと、そういう判断が強まってきたと。

フリーアナウンサー 豊崎由里絵氏:
これまで少数与党だからこそ、野党から出てきた生活防衛策で実現することになったものもいくつもあるわけじゃないですか。それを考えるとむしろ私は解散しないでほしいなという思いが…。
国内の政策もそうですし、アメリカ頼りの安全保障に対する不安が大きくなる中で、今こそ外交をいろいろして高市さんは忙しくやる時期だと思うのですが、でも自民党人気ではなく高市さん人気で解散するとなれば、高市さん自身が選挙応援に入られると思うんです。そうすると、それで日程が取られてしまうのではないかと、不安になります。

谷原章介キャスター:
それこそ「働いて、働いて、働きます」と言っていた人が、「政策」のために働くのか、「政局」のために働くのかと…。
自民党自体の支持率は上がってきているのですか?

岩田明子氏:
いや、あまり上がっていないです。ですから、内閣支持率と自民党支持率の乖離が大きいというところはひとつの不安材料ではありますが、ごく限られた側近との間では、「年末の会期末でやるべきだ」という声がありましたね。でも、高市さんはそれには首を縦に振らずに。元々この時期を狙っていたのではないかと。

果たして高市首相は解散に踏み切るのか?その可能性として、岩田氏は「90%」、松山氏は「65%」と回答しました。

【解散可能性…90%】岩田明子氏:
この手の政局で、解散風がここまで流れて取りやめたとなると、一気に求心力が落ちてしまいます。やはり、解散を早くしてほしい人もいれば、萩生田さんや麻生さんはもっと後がいいと。
例えば萩生田さんは国民民主との連立拡大でずっと水面下で交渉していて、本予算を成立、賛成するところまで握ったわけです。その後の連立視野というところまで話が進んでいたのに、解散で飛んでしまうということになると国民民主との関係も難しくなるし、参議院は依然として少数与党としてこれからも協力を得なくてはいけないのに、交渉力がなくなるという気持ちでいるわけです。
党内では「なぜ今」という声もありますが、ここまで流れができた以上引っ込めるというのはかなり難しいのではないかと。

【解散可能性…65%】フジテレビ解説委員長 松山俊行氏:
3連休の間にどんどん“解散風”が強まっている印象がありまして、解散報道が出た後の世論調査も内閣支持率が上がっているんです。当然、高市さんもそれを見ていますので、ここで解散することに対してそこまで批判はないと受け止めている可能性があると。
(残りの3割5分は)連立のパートナーである維新から「議員定数削減をどうするか」、国民民主からも「年度内予算成立どうするのだ」と批判がでている。その辺りを、世論も含めてどう動くかを見ている可能性がある。
さらに、鈴木俊一幹事長など党の幹部も、あまり早期解散について知らされていなかったと。それについての反発というのも自民党内でありますので、その辺りがどう影響してくるかも。
谷原章介キャスター:
まぁでも、政策の方を政局より優先してほしい、そんな思いもあったりしますね。
(「サン!シャイン」 1月13日放送)
