「浦島太郎」や「うさぎとカメ」などにも登場し、そして長寿のシンボルともなっているカメ。

そんな日本人にも馴染み深いカメについて今、“ある部分”が特徴的な個体が見つかったとして注目を集めている。

(提供:体感型動物園「iZOO」)
(提供:体感型動物園「iZOO」)
この記事の画像(6枚)

持ち上げられているのは、1匹のカメ。

太く丈夫そうな足や体を覆う硬そうな甲羅は普通のカメと大差ないようだが、皆の視線を集める場所が1カ所ある。

顔から何か生えているようなのだ。

顔部分に寄せた写真がこちら。

(提供:体感型動物園「iZOO」)
(提供:体感型動物園「iZOO」)

視線を集める正体は“ツノ”らしきものだ。

両まぶたの上からそれぞれ1本ずつ、少し茶色の“ツノ”が生えているのが分かる。

このカメは、日本や中国、朝鮮半島に生息するクサガメ。最大甲長は28センチほどになる。現在、飼育・展示されている体感型動物園「iZOO」(静岡県)には、他にも400匹ほどのクサガメを飼育しているという。

多くのクサガメを飼育している、「iZOO」でも初めて見たというツノのあるクサガメ。なぜカメにツノが生えているのか? 白輪剛史園長に話を聞いてみた。

SNSでは海外の研究者からも驚きの反響

ーーこのツノを持つクサガメが園に来た経緯は?

2019年、富士市在住の男性が釣りをしていてツノが生えたクサガメを捕獲。そのまま飼育していましたが、あまりにも奇妙なため、原因究明と共に皆様に広く見て頂きたいとの希望でiZooに7月1日に寄贈されました。


ーー“ツノ”以外は他のクサガメと変わらないの?

甲長16センチのメス。性格はおとなしく、ツノは両目まぶたに、長さ約1センチあります。健康状態も問題なく、他のクサガメと異なる点は見受けられません。

(提供:体感型動物園「iZOO」)
(提供:体感型動物園「iZOO」)

皮膚の角質が変異したと推測

ーー初めて見たときの感想を教えて

驚き。なんだろうと思いました。


ーーツノのあるクサガメは珍しい?

はじめて見聞きしました。過去の事例も確認しましたが聞いたことがないです。SNSでは海外の爬虫類研究者や愛好家から驚きの反響がたくさん来ています。


ーーどのようにしてツノが生えたの?

恐らく皮膚の角質がツノ状に変異した物と推測しています。先祖返りというわけではなく、この子だけが異なっています。

(提供:体感型動物園「iZOO」)
(提供:体感型動物園「iZOO」)

「ツノが生えたメカニズムを解明したい」

ーー反響を教えて

子供達は見た瞬間「ツノが生えてる!」と叫びます。他に形容する単語が見つかりません。まさしくツノなんです。また、報道機関からの問い合わせが増えています。

暗い話題の中での珍しいことなので話題になったのだとうれしく、前向きに理解しています。
原因を突き止め、ツノが生えたメカニズムを解明したいと思います。また、この不思議なツノの生えたカメを皆様にもご覧頂きたいと思います。


ーー今後はこのクサガメをどうするの?

原因究明と共に遺伝的な要因なども調べ、できる限り長く飼育展示していき、多くの皆様にご覧頂きたいたいと考えています。

(提供:体感型動物園「iZOO」)
(提供:体感型動物園「iZOO」)

白輪園長が「世界に1匹しかいないのではないか?」とも話す、この“ツノ”を持つクサガメ。

現在はオスと一緒に飼育し、「ツノは遺伝するか?」を繁殖を通じて解明していく予定だという。また既にレントゲン検査はしており、その他、研究者と共同でCT検査、病理学的検査もしていくそうだ。

合わせて、まだ名前は決まっていないことから公募することを考えているという。
生き物の生態は分からないことも多いと思うが、是非ともツノが生えた原因が解明されることを願いたい。
 

【関連記事】
川底からスッポンの赤ちゃん発見…かわいいけどやっぱりかんだら離さない?専門家に聞いた
ラッパみたい? 不思議な生物「ムカデメリベ」が“怖かわいい”

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。