4月22日、かめきちかめぞう(@kamekichikamezo)さんがツイッターに投稿した何とも不思議な生き物の動画が、話題になっている。



ラッパのような形をしたこの生物、名前を「ムカデメリベ」というのだが…みなさんご存じだろうか?

見た目も動きも独特すぎる

海の生き物や水族館が大好きだというかめきちかめぞうさん。
京急油壺マリンパーク(神奈川県三浦市)で開催中の50周年記念特別企画展「相模の海から」を訪れ、目の当たりにした“変てこりんな生き物”を動画撮影した。

帰宅して調べると、「ムカデメリベは珍しい生き物で、おそらく他の水族館では展示していない」ということが分かりツイート。
全国の水族館を訪れているが、標本でなく生きて動いている姿を見たのは初めてだったという。

今回の特別展の目玉は、全国の水族館で初の展示となる深海種「コブモロトゲエビ」だというが、このツイートにより、多くの人が「ムカデメリベ」に注目。

ラッパやサックスなどの楽器、「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪・ヤカンズルに似ているという指摘のほか、

「な、なんだこの生き物!」
「すごい古生物感」
「『かわいい』と『丸飲み捕食or顔から捕食しそうで良い』が同時にくるフォルム」
「なんだかロマンを感じますね」
「海やばいな」

などのコメントが寄せられた。

展示水槽は上部がオープンになっており、一挙手一投足まで観察可能(提供:かめきちかめぞうさん)
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かわいい見た目なのに…実は「獰猛なハンター」!

観察すると、動画でも確認できるように「口をずっと開閉していた」という
ムカデメリベ。
背中に5~9対の平たい突起を持ち、体長は15cmくらいになるというが、謎に包まれたその生態について、京急油壺マリンパークの飼育員さんに聞いた。

ーー「ムカデメリベ」はどんな生き物?

メリベウミウシ科の生き物で、貝殻は持ちませんが、貝類と同じ軟体動物門に属します。
磯の潮間帯下部に生息しており、マリンパーク周辺の磯でも干潮時に見かけることがあります。
体は半透明で、内臓も透けて見えます。一見おとなしそうに見えますが、小型の甲殻類を捕えて食べる獰猛なハンターです。ガラス越しだとわかりませんが、柑橘系のような独特のにおいがします。

透き通る柔らかな体と繊細な突起がキュートだ(提供:京急油壺マリンパーク)

ーー特徴的な口のような部分と突起の役割は?

ラッパのような頭部は、巨大な捕食器で、これを投網のように使って餌を捕えます。動きはそれほど速くないですが、捕食器を大きく広げて餌を食べる様子は豪快で、見ていて飽きません。
背側の突起も特徴的ですが、非常に脱落しやすく、役割はよくわかりません。

ーー専門家の間でも「○○に似ている」という意見はある?

ヤカンズル、確かに似ていますね。水族館の中では、メリベウミウシの仲間はよく知られているので、何かに例えることはあまり聞きませんが、逆に口が大きかったり大食いだと、「メリベウミウシみたい」と例えることはありそうです。

ーー展示の中で、一番人気な生物は?

集団で泳ぐゴンズイや美しいウメボシイソギンチャク、愛嬌のある顔のサビハゼなどに興味を示すお客様が多いですが、やはり一番人気はムカデメリベだと思います。

餌を食べている時以外はじっとしているので、そもそも生き物だと思っていないお客様も多いようです。餌を食べる様子を見て、驚いていらっしゃいます。
また、時折 体をくねらせて泳ぐのですが、その姿もインパクトがあるようです。

ーー企画展の目玉は「コブモロトゲエビ」だが、「ムカデメリベ」が注目されていることについては?

希少性という点でコブモロトゲエビを目玉にしましたが、今回の特別展は「身近な海の再発見」というテーマを掲げて展示を構成したので、希少な生物以上に興味を持っていただける生き物が出てきたことは、とてもうれしいです。

浦賀水道から駿河湾までの海域にしか生息しないという珍種「コブモロトゲエビ」(提供:かめきちかめぞうさん)

身近な磯の生物から謎多き深海生物まで、相模湾に生息する多種多様な生き物を紹介している今回の特別展。
終了時期は未定だが、ゴールデンウイークの間は開催しているという。
注目のムカデメリベは、京急油壺マリンパーク内 水族館「魚の国」1階の第2章~相模湾に棲む生物たち~Chapter-2「足元の自然に目を向けてみよう」に展示されている。

見た目のインパクトがすごいムカデメリベなど、珍しい生き物の数々を生で見られる貴重な体験。是非一度足を運んでみてはいかがだろうか。