神奈川県の黒岩知事は、7日放送のフジテレビ「日曜報道 THE PRIME」に出演し、新型コロナウイルスの緊急事態宣言の2週間再延長をめぐり、1都3県共同で政府に延長を要請しようとした小池東京都知事との水面下のいざこざを暴露した。また橋下元大阪府知事は、政府と知事の連携のあり方について苦言を呈した。

番組の中で黒岩知事は、緊急事態宣言延長に関して、小池知事ら1都3県の知事の間でどういういきさつがあったのか問われ、次のように語った。

「月曜日(3月1日)の段階で小池知事から電話をいただき、どうでしょうかと。神奈川はステージ2の状態なのでもう少し様子を見させてくださいと申し上げました。でも小池知事はやはり延長せざるをえないでしょうと言うから、もう少し待ってください、もう少し数字を見たいと話した。そうしたら火曜にいきなり今日は西村大臣に会いに行きましょうみたいな話になり、えっ!となった。文書が出てきて見ると2週間延長要請すると書いてあったんですよね」

黒岩知事は、政府に2週間延長の要請をしようと呼びかけた小池知事に対し、「これ持って行くの?まだ話していないじゃない」と疑問を呈したという。さらに黒岩知事は、千葉・埼玉の知事の意向を確認したところ、意外な事実が判明したと語る。

「あれ、これ他の知事は(延長要請について)大丈夫なのかなと言ったら、(小池氏は)森田千葉県知事は賛成している、大野埼玉県知事も賛成しているというので、私、直接電話したんです。そうしたら森田知事が、(小池氏が)黒岩知事が賛成するからと言うからじゃあ俺も賛成と。大野知事もそうだというから、え、そんなこと僕賛成していないですよと。そうなんですかと。それでちょっと待ってくれ、2週間延長なんていう話考えていないと」

黒岩氏は、その時点で既に菅首相が延長の是非について「私が決めます」という話をしていたので、1都4県の知事の意向を一つにまとめなくてもいいと思ったという。延長するなら2週間では無く3月31日までという考え方もあるし、いったん宣言を解除した上で対策を続け、再び感染者数が上がってきたら蔓延防止等重点措置をかけるなど、2週間延長以外にも様々なパターンを想定していたという。黒岩氏はその上で、小池知事とのその後のやりとりについても明らかにした。

「その後に西村大臣、西村大臣(への要請)という話があったので、それは無理ですよと言う話で、我々は西村大臣との会談は無しにしたんですね。3日連続でウェブ会議があったので、我々率直にものを言いましょうと言って、(小池氏に)はっきり申し上げました。1都3県の足並みをそろえる大事な時なのに、こういうことを言うと信頼関係が薄れますよと。信頼関係あっての1都3県の足並みそろうということでしょう。こういうのはダメだ!それはおかしい!と言いました。小池知事から先走ってしまってごめんなさいと言うので、私はそれ以上のこだわりはないですから一緒にやっていこうとなりました」

この話を受けて、田村厚労相は緊急事態宣言の2週間延長を決めるプロセスについて、菅首相と関係閣僚の協議で、病床の状況を懸念し数字上解除は難しいという判断があり、延長するなら方向性を早く出さないと行けないということであのタイミングになったとの認識を示した。

一方、橋下徹元大阪府知事は「やっている人たちは大変なのはわかるが、緊急事態宣言はメッセージだから、国民がどれだけ政府や自治体を信頼してそれに従うかという気持ちの問題であり、この決定過程の見え方はよくなかった。菅総理は知事の意見を聞くというプロセスをきちんとやってほしかった」と苦言を呈した。

橋下氏の意見を受けて田村厚労相は、西村大臣や菅首相自身が知事の意見はしっかり聞いていてそのもとに判断していると強調し、黒岩知事も菅首相と意見交換していたことを明らかにしたが、橋下氏は国民への見え方として、政府と知事の間で透明なプロセスを踏んで見せるべきだったと強調した。

(フジテレビ政治部)

日曜報道THE PRIME
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