福井県選挙区では、自民党系の3人が当選を果たした第51回衆院選。県政担当の小川一樹記者が解説します。

◆“高市旋風”が福井にも

今回の衆院選は、全国的に『自民党の歴史的大勝』と『中道改革連合の歴史的大敗』が合わさった形になりました。福井県選挙区も同様に働いた結果ということが言えます。
 
高市総理の人気からくる“高市旋風”が吹いたことに加え、中道改革連合が浸透しなかったことが、県内の開票結果にも表れました。

◆知事選の“しこり”を抱えていた大票田の福井市

ただ、結果的には差をつけて勝利したものの、自民党公認の1区稲田氏、自民党が支持した2区斉木氏ともに、不安要素がある戦いでした。
 
稲田氏の不安要素は、知事選の“しこり”でした。
  
1月25日の知事選挙で初当選した石田嵩人知事を全面的に支援したのは、福井市議会の保守系会派の市議たち。そんな中で稲田氏は、対立候補の前越前市長・山田賢一氏を応援しました。
 
この“しこり”を福井市議たちが抱える中で衆院選を迎え、大票田の福井市の票を固められるか、福井市議たちはしっかりと支援してくれるのか、という懸念がありました。
 
結果的には、県内の自民党公認候補は稲田氏だけということもあり、福井市議たちの支えもあって、福井市で5万票、有権者の5割近くを獲得しました。
 
ある市議は「もし石田さんが知事選で落選していたら、稲田氏への支援はなかった」と語っています。

◆自民党本部と県連で斉木氏への対応に“ねじれ”

一方、2区斉木氏の懸念は、自民党の“ねじれ”でした。
 
衆院選出馬にあたり、斉木氏は自民党福井県連に公認申請願いを出していましたが、認められませんでした。
 
それにもかかわらず、自民党本部が斉木氏に「支持」を出し、県連の意向を無視するような対応が取られました。
 
当然、県連は反発し、本部が支持しても県連は一切、斉木氏を応援しないという“ねじれ”が起きたのです。
 
選挙戦終盤には自民党本部の選挙責任者である古屋圭司選対委員長が直々に斉木氏の応援に駆け付けましたが、その演説会にも自民党県連のメンバーは誰一人いませんでした。
  
こうした背景がありながらも、結果的に自民党支持層の8割の票が斉木氏を当選に押し上げました。
 
自民党福井県第2支部は本部に対し、もし斉木氏が当選しても自民党入りを回避するよう要望書を提出していましたが、党本部は8日夜、斉木氏に追加公認を出し、未だこじれた状態になっています。
 
県連が斉木さんの自民党入りを認めていない中、斉木氏は今後どのように県連と向き合っていくのか、いきなり大きな課題が待っています。

◆北陸新幹線の早期延伸「やれるのは私しかいない」

今回、当選を果たした2人ですが、県政が抱える大きな課題を前に進めるためには、それぞれ大きな役割を果たしてもらう必要があります。
 
稲田氏は、まず北陸新幹線の敦賀ー新大阪間の早期認可着工です。北陸新幹線与党整備委員会の委員として、そして自民党鉄道調査会の会長として、8つのルート案の再検討が決まった中で、いち早く小浜・京都ルートに決定し早期着工に向けて「やれるのは私しかいない」という訴えの行方に注目したいところです。

◆「原発推進」を訴え立地地域で得票重ねる

全国最多の原発立地地域を抱える福井2区から選出された斉木氏は「原子力政策」の旗振り役が期待されます。
 
斉木氏は「原発推進」を訴えていて、今回の衆院選でも敦賀、美浜、おおい、高浜
という原発立地地域ではいずれも多くの票が入っています。
 
対立候補の辻さんが「将来的に原発依存を減らす」と掲げていたことを加味すると、「原子力政策推進」への期待度の表れともいえます。
  
原子力政策は国策です。今後、使用済み核燃料の県外搬出などの課題にどう取り組み、リプレースを含む原子力の活用をどう進めていくのか注視する必要があります。
 
いずれにせよ、比例で当選した今氏を含む3人には、国と県をつなぐパイプ役となって福井のために力を注いでもらう必要があります。

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