秋田市の高校生・船木愛莉さんが、ラート競技のジュニア日本代表に選出された。10万人に1人とされる病を克服し、驚異的な回復力と努力でつかんだ世界の舞台。支えてくれた仲間や指導者への思いを胸に、6月の世界大会に挑む。

ラートに魅せられた幼少期

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鉄製の2本の輪を操り、全身で回転や技を披露するラート。

秋田市のラートスクールで練習を続ける高校2年生の船木愛莉さん(17)は、5歳の頃、兄の影響で競技と出会い、その魅力に引き込まれた。

兄(右)の影響で5歳からラートを始めたという船木愛莉さん(左)
兄(右)の影響で5歳からラートを始めたという船木愛莉さん(左)

「新しい技ができた瞬間が一番楽しい」と語る船木さん。年齢や立場を超えて喜び合うスクールの雰囲気が、彼女の大きな原動力になっている。

ラートに打ち込む一方で、男子新体操、水泳の飛び込み、演劇など幅広い活動にも挑戦してきた。

ラート世界チャンピオンの高橋靖彦選手(左)は船木さんの能力を高く評価する
ラート世界チャンピオンの高橋靖彦選手(左)は船木さんの能力を高く評価する

船木さんを指導する現役世界チャンピオンの高橋靖彦選手は「これまでの経験が体幹の強さや瞬発力につながっているのが強み」と評価する。(※高橋選手の「高」は「はしご高」)

中学3年の夏…突然の病

しかし中学3年生の夏、思いもよらぬ病が襲う。

10万人に1人とされる「脳動静脈奇形」を発症。手術は成功したものの、左側の視野を失い、1年間の通院とリハビリが必要と診断された。

10万人に1人といわれる病を乗り越え、驚異の回復を見せた船木さん
10万人に1人といわれる病を乗り越え、驚異の回復を見せた船木さん

それでも船木さんは前を向いた。「私が乗り越えられたら、同じ状況の人に『諦めなくていい』と伝えられると思った」

その思いを支えに訓練を続けた船木さんは、わずか3週間で退院する驚異の回復を見せた。

“諦めない”を胸に全国2位 そして世界へ

全日本ラート競技選手権大会(2025年12月)の様子(青いマット上にいるのが船木さん)
全日本ラート競技選手権大会(2025年12月)の様子(青いマット上にいるのが船木さん)

退院後も練習を重ね、2025年12月の全日本ラート競技選手権大会ジュニア女子跳躍で堂々の2位に輝いた。

努力家で優しい人柄はスクールの仲間からも慕われ、「大きくなったらあんなお姉さんになりたい」と憧れの存在になっている。

その活躍が認められ、ジュニア日本代表に選出。6月にドイツで開幕する世界大会に出場する。

世界の舞台でも「伸び伸び演技したい」と練習に打ち込む船木さん
世界の舞台でも「伸び伸び演技したい」と練習に打ち込む船木さん

「どんな結果でも、最後まで笑顔で伸び伸びと演技したい」と語る船木さん。世界の舞台でも、彼女らしい前向きな姿勢は揺るがない。

将来は“誰かを救う存在”に

競技の先に見据えるのは、看護師として人を支える未来だ。

「病を経験した自分だからこそ人に寄り添えると思う」と語る船木さん
「病を経験した自分だからこそ人に寄り添えると思う」と語る船木さん

船木愛莉さん:
「絶望している人にも、諦めなくていいと伝えたい。病気を経験した私だからこそ、寄り添えると思う」

病を乗り越え、挑戦を続ける船木愛莉さん。その歩みは、同じように困難に向き合う人々に大きな勇気を与えている。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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