過去2大会で4位という結果に終わったプロスノーボーダーの岩渕麗楽選手(岩手県一関市出身)。2月に開幕するミラノ・コルティナオリンピックで3度目の挑戦となる岩渕選手は、「次こそ本当に金メダル本気で取りに行きたい」と意気込む。世界トップクラスの実力を持ちながらも、オリンピックという特別な舞台で感じるプレッシャーと向き合いながら、さらなる高みを目指している岩渕選手の現在に迫った。
地元は「素」でいられる場所
世界を舞台に活躍している岩渕麗楽選手は、久しぶりに地元の岩手県一関市に帰ってきた。
岩渕選手は地元について「一番素でいられる場所なので、プレッシャーも何もなく、落ち着くために帰ってこられる場所」と語る。
2月に開幕するミラノ・コルティナオリンピックでは、空中技の出来栄えを競う「ビッグエア」の出場が有力視されるほか、コース上の障害物を滑り降りながら技を披露する「スロープスタイル」の出場も目指している。
代表入りが決まれば3度目のオリンピック出場となる。
「オリンピックは次こそ本当に金メダル本気で取りに行きたい」と岩渕選手は意気込んでいる。
オリンピックという特別な舞台
15歳で「ビッグエア」のワールドカップで初優勝を果たし、これまで通算9勝をあげている岩渕選手。
世界トップクラスの実力を持つ一方で、オリンピックは過去2大会とも4位という結果に終わった。
「あと一歩がすごく遠いと思って、そこで感じるプレッシャーだったり全然違う。慣れてくるものでもなかったし、そういう技術的なところ以上にメンタル的なやりにくさはすごいある」と語る。
前人未到の挑戦
プレッシャーがかかるオリンピックの舞台。その中でも岩渕選手はトップに立つために"挑戦"を続けてきた。
前回2022年の北京オリンピックでは、岩渕選手が挑んだある"技"が世界から称賛を受けた。
それが「フロントサイドトリプルアンダーフリップ1260」。縦に3回・横に3回半回転する難易度の高い技で、女子選手で挑戦したのは岩渕選手が初めてだった。
オリンピックでは着地に失敗してしまったが、2023年の世界大会「Xゲームズ」で女子選手として初めて公式戦で成功させた。
岩渕選手は「技に挑戦するまでは何となく自分がうまくなる想像ができなかった。限界を感じたタイミングだったけれど、まだいけるんだと思えて。さらにスノーボードと向き合えるようになった」と振り返る。
高まる世界レベル
世界の競技レベルについて聞くと、岩渕選手はこう答えた。
「すごく上がっていると思う。北京でやった技は予選を通るために使う技になってくると思うので、勝つための技ではなくなってしまったからこそ、今もうちょっと難しい技を練習して大会を目指している」
"挑戦"を続け、さらなる進化を目指す岩渕選手。
オリンピックで悔しさを味わったからこそ練習に取り組む姿勢も変わったと話す。
「本当にひたすら練習内容も濃くなったし、練習時間も前と比べて本当に桁違いに増えた」
大舞台に向けたメンタル調整
ミラノ・コルティナオリンピックの開幕まで約1カ月。
練習に追われプレッシャーもかかる中、メンタル面を整えリラックスするために心掛けていることがある。
「余計なことは考えない。結果のことも考えないし、その先のこともあまり考えずに、大会に出ている時は今自分が滑っている技のことだけ考えるようにしている」と岩渕選手は説明する。
遠征先での楽しみについては、「いろいろあるけど、山にいる分、標高が高いので景色はすごくきれい。カメラを始めたので写真に残していくのは遠征の楽しみ」だという。
2026年への思い「一生懸命」
オリンピックイヤーの2026年にかける思いをフリップにしたためてもらった。
岩渕麗楽選手:
「『一生懸命』です。頑張りきることって難しいと思っていて、私も練習していくうえで自分に妥協しちゃう時があったけれど、それをしてたら五輪の舞台ではやり切れないと思ったので、もう1回、自分の中で強く持っておきたいと思う言葉」
己の限界に"一生懸命"挑戦し続けてきた岩渕選手。勝負の2026年が始まった。
