2月24日、『サン!シャイン』が取材したのは、埼玉・坂戸市。
住宅が並ぶ場所に突如現れたのが…黒いシートで覆われたゴミの山。中身は細かく砕かれたプラスチックに、鉄線、ボルトのようなものも。いわゆる産業廃棄物です。

5年間以上も放置されているという大量のゴミに、困惑する住民と対応に苦慮する行政。
長年、ゴミの山に苦しめられている町に、何が起きているのでしょうか?
風で散乱・周囲に異臭…住民困惑
高さ約4mにも達し、畑の周りを囲うように積み上がっているゴミ。3000袋以上あり、周囲に様々な問題をもたらしています。

近隣住民:
臭いも多少あるけど、風が吹けば細かいのは飛んでくる場合もあるし。第一、景観が…、ちょっと印象が良くないよね。

自宅の窓からは、真正面にゴミの山が。臭いや風で飛んでくるゴミに悩まされているという男性。
そして、別の住民は…。
近隣住民:
私の友人がすぐ近くに住んでいて、子供のためにもこっちに家を建てたかったけど、やめたというふうに言っていたので…。
さらに、ゴミの山に隣接する場所に住む男性は、こんな被害を訴えます。

ゴミの山に隣接する場所に住む男性:
ちょうど朝日が昇るんですけど、ゴミ山から朝日ですよね。
もう5年ぐらい前からですよね。一応(業者が)運び込んだときに、運び込んでいる人たちには言ったんですよ。「そこには農業用水があるんでふさがないでくれ」って。(業者は)無視ですね。

男性の自宅から、ゴミの山がある土地へと伸びる農業用水路。雨が降った際、この水路を通って水が下流へ流れていくようになっていましたが、現在はゴミでふさがれ、この場所に水が溜まってしまうといいます。
ゴミの山に隣接する場所に住む男性:
もう水いっぱいです。腹が立つんで、早く全面撤去してほしいですよね。

住民らによると、ゴミが運び込まれ始めたのは5年以上前となる2020年6月ごろ。一日に数回、業者がトラックでやってきて物を置き始めたといいます。時には夜間にやってくることも…。
近隣住民:
私ら住民には一切聞かされてない。「有価物」っていう話で始まった。一時有価物を置くっていう感じだね。

この土地を借りた業者は当初、運び込んだものは「有価物」。つまり、価値のある資材であり、一時的な置き場所として使っていると説明。
しかし、その後も次々と運び込まれ、約半年がたった2020年の12月頃には現在の状態に。それ以降、業者は姿を見せなくなったといいます。
埼玉県や坂戸市は住民からの情報提供を受け、事態を把握。翌年には、産業廃棄物と認定し、業者に対して撤去するよう勧告しました。
持ち込んだ業者は収監中…行政側も連絡取れず
ではなぜ、業者は撤去に応じないのか?取材を進めるとこんな証言が…。

ゴミの山に隣接する場所に住む男性:
これ(産業廃棄物)を持ち込んだ人間が今収監されているらしい。
埼玉県に確認したところ、ゴミを持ち込んだ業者が、別の事件で収監され、行政側も連絡を取るのが困難な状態だといいます。

そんな中、2024年、県は倒壊する恐れのあった一部の廃棄物、約230袋を撤去しました。それでもいまだ3000袋以上が残る現状。
1月27日に行われた県の住民説明会では…。

〈住民説明会の音声〉
住民:
5年後、10年後のあれ(産業廃棄物)を減らすっていう予算を組んでるとか、やる気があるとか、そういうことを聞かせてください。
埼玉県担当者:
代執行っていうのが、やり方としてはあるんですけれども、代執行って税金使って撤去して終わりではなくて、費用回収できる見込みがないとなかなか難しい。
住民:
処分金額っていくらぐらいかかるんですか?
埼玉県担当者:
大体1億円かな。
住民:
行政代執行も難しい、業者が(費用を)支払うのも難しい、じゃあどうするのってことですよ。(住民は)みんな市県民税を納めている。お金がかかるからダメだって言われたんじゃ我々の立つところがないでしょう。この山ができた一番最初のきっかけを我々見たんですよ。それで県にも言った。最初から言ったんですよ。それでも県も何もしてくれない。
解決への糸口は…?
一方、ゴミを持ち込んだ業者は…?

向かったのは事務所の所在地とされる千葉市内。すると…そこには事務所はなく、坂戸市と同じようにゴミが高く積まれていました。事務所に電話をかけても、つながりません。
解決への糸口はあるのでしょうか?

亀井正貴弁護士によると、今回の場合、ゴミを持ち込んだ業者の収監が終わっても支払い能力がないとみられる点で、将来的な行政代執行というのは費用面で難しいといいます。
一案としては、自治体が負担する費用を国が補助できる制度を導入していく必要があるのではないかということです。

岩田明子氏:
こうした事案は全国でも見られると思うんですけれども、行政代執行をして、その後かかった費用というのを業者から回収するのは難しいケースが多い。となると、慎重になってしまったりするというのはもうわかってることなので、これをスピーディーに行っていくということが必要だと思うんですよね。県議会とか市議会にももっと視察してもらって、議会でも条例を作ってもらうとか、地方議会の方でも対応して新しい仕組みというのが必要かなと思います。

谷原章介キャスター:
どう見たって産廃なわけですよね。持ち込んだ本人が「有価物だ」って言ったとて、住宅地の隣とか農地の隣みたいなところに置いちゃいけない、入るところから条例を作らないとどうしようもないですよね。
国の法律としてではなくて、散発している、起こったところで条例ができているっていう、いたちごっこを繰り返しているところもありますよね。
いち早く解決するために…、スピード感を出すためにはどういう制度をつくっていくのかというところが今後の大きな課題です。
(「サン!シャイン」2月25日放送より)
