◆1988年まで活躍 香川~岡山結ぶ国鉄「宇高連絡船」の帰省ラッシュ
OHKのカメラが収めた岡山・香川の懐かしの映像で、ふるさとの歴史を振り返る「きょうは何の日」。
前年に続き、年末年始特別編として岡山・香川「昭和の年末年始」の映像をシリーズでお届けします。第9回は1983年(昭和58年)12月30日に、高松市の高松駅で撮影された映像です。
◆当時は讃岐丸、伊予丸、阿波丸、土佐丸の4隻が活躍
高松港に入港する1隻の船。玉野市の宇野と高松を結ぶ国鉄「宇高連絡船」です。当時は四国の旧国名を名付けた4隻の船が活躍していましたが、そのうちの1隻、「土佐丸」が高松桟橋に到着すると、両手に大きな荷物を持った帰省客らが次々と降りてきます。高松駅で四国各地に向かう列車に乗り換える人たちが走り出さないよう、駅員たちが横一列で手をつなぎ、先導する様子も映っています。
◆高松駅・宇野駅で走る人たち…”桟橋マラソン”のワケ
宇野駅と高松駅では連絡船から降りた人たちが、後続の列車の自由席に座ろうと、走って乗り換えをする光景も見られ、連絡船があった時代にはその様子を「桟橋マラソン」、「宇野マラソン」などと呼ぶ人たちもいたそうです。
◆白煙がモクモクと…予讃線電化前の高松駅
愛媛方面に向かう急行列車の「うわじま」はデッキにも人があふれるほどの混雑でした。予讃線はまだ電化されておらず、ディーゼル気動車が白煙を上げ、出発していきました。
宇野と高松を結ぶ宇高連絡船は1988年4月10日の瀬戸大橋開通の前日に廃止されました。また、最後まで残っていた、宇野港と高松港を結ぶ宇高航路のカーフェリーも2019年に事実上、姿を消しました。