2025年は福島県でどんなことが起こったのか?参議院選挙や市長選挙…選挙イヤーだった2025年。争点にもなった、福島の復興にかかわる燃料デブリ回収や除染土の再生利用など、政治関連のニュースで振り返る。
4月 福島第一原発で2回目の燃料デブリ取り出し
事故後2回目となる燃料デブリの取り出しが完了した。
東京電力福島第一原子力発電所2号機で4月に採取されたのは約0.2グラム。2号機では2024年11月に事故後初めてとなる採取に成功しているが、まだ合わせても0.9グラムにとどまっている。
第一原発には880トンの燃料デブリがあると推計されていて、国と東京電力は2051年までの廃炉完了を目標に掲げている。

7月 除染土を官邸前庭で再利用
7月19日午前4時過ぎ、福島県大熊町の帰還困難区域のゲート前にトラックがやってきた。
中間貯蔵施設から運び出された約2立方メートル、4tトラック1台分に相当する除染で出た土。放射能濃度が基準を下回る4分の3については“再生利用”する計画で、その最初の事例に総理官邸が選ばれた。
浅尾環境相(当時)は「使用した除去土壌の量は、再生利用しなければいけないものに対しては僅かではありますが、これからさらに再生利用を進めていくことにつなげていければと思っています」と述べた。
除染で出た土は2045年3月までに県外で最終処分することが法律で定められていて、政府は2035年までに候補地を選定する方針だ。

9月 福島県の最低賃金が初の1000円台に
福島地方最低賃金審議会の熊沢透会長は「かなり大きな引き上げではあります。働いている人の手取りを少しでも増やすことを最優先にしたと、これに尽きるということです」と語った。
福島県の最低賃金について議論してきた審議会が、時給を1033円に引き上げるように福島労働局に答申。例年8月に行われる答申が異例となる9月にずれ込んだが、引き上げ幅は過去最大で初めて1000円を超えた。
改定された最低賃金は、2026年1月1日から適用される。

2025年は選挙イヤー
4月 郡山市長選挙、前の県議会議員の椎根健雄(しいねたけお)さんが新人4人の戦いを制し初当選。
7月 参議院選挙・福島県選挙区、自民党の現職・森雅子さんが新人2人を破り4選。
9月 いわき市長選挙、現職の内田広之さんが元職と新人の2人を破り再選。
11月 福島市長選挙、元衆議院議員で新人の馬場雄基(ばばゆうき)さんが現職と新人の2人を破り初当選。
2026年秋に県知事選挙予定。
