12月4日、延岡市伊形町のガソリンスタンドで発生した強盗致傷事件から1週間が経過した。閉店作業中の40代男性経営者が刃物を見せられ工具で殴打され、全治約2週間のけがを負ったものの、現金は奪われなかった。犯人は現在も逃走を続けており、地域住民や事件現場周辺の小学校では不安が広がっている。被害に遭った男性は当時の状況を「一瞬の出来事だった」と振り返り、一日も早い犯人逮捕を強く願っている。
事件発生から1週間
12月4日午後7時半ごろ、延岡市伊形町にあるガソリンスタンドで強盗致傷事件が発生した。事件から1週間が経過したが、犯人は逮捕されていない。

現場の目の前を走る道路は通行量が多い一方、南側は閑静な住宅街で、防犯カメラも少ない状況となっている。
閉店作業中に刃物で…
事件は午後7時半ごろ発生した。

経営者の40代男性が一人で閉店作業中に、20歳くらいの男から刃物を見せられ「お金をください」と脅された。

男は現場にあった金属製の工具で男性の右足を殴り、けがをさせた。男性が抵抗したため現金は奪われず、男はその場から走って逃走した。男性は全治約2週間のけがを負い、現在も通院している。
被害男性が語る「一瞬の出来事」
事件から1週間。被害に遭った男性は「一瞬の出来事だった」と、当時の状況を明かした。

被害に遭った男性:
いきなりカッターの刃を見せて、襲われた感じですね。

犯人は無言のまま事務所内に入ってきたといい、男性が「何ですか」と聞くと、犯人は「お金をください」とだけ言ったという。男性は犯人が「後ろではなく真横にいた」と述べ、自身は下を向いてお金を数えていたため、「一瞬の出来事だった」と話した。
犯人の声について男性は「震えている感じはしなかったが、声を荒げるというより、とにかくお金を奪うことに一生懸命だった印象を受けた」と語った。

また、犯人との攻防について、「一度ソファがある場所で倒されたが、何とか起き上がり、二人で扉を押し開けながら出口まで流れ込んできた」と説明した。
男性は「とにかく早く犯人が逮捕されれば、それが一番良い」と早期解決を願っている。
地域に広がる不安と防犯意識
事件発生後、付近の住民からは不安の声が聞かれ、防犯対策を強化する動きが出ている。

ある住民は「このような強盗事件はあまり起こったことがないため、心配だ」と話し、防犯意識について問われると「意識するようになった」と答えた。

また別の住民は「早く捕まらないと怖い。昼間はいつも鍵を開けていたが、施錠するようになった」と、防犯意識の変化を語った。

事件現場周辺が校区となっている伊形小学校では、保護者が子供を送迎するなど、対応が続いている。

伊形小学校 松山弘治校長:
(事件から)一週間がたつので、早く捕まってほしい。以前のような安全な日常が戻ってほしいと思っている。登校も下校もできるだけ集団でするように、不安な人は家族と相談して送迎してもらうように指導している。

警察は次を狙わないうちの犯人逮捕を目指しているが、捜査関係者によると、「有力な情報は少ない」ということだ。
犯人の男は身長およそ170センチで、事件当時、フード付きの黒っぽいパーカー、黒縁眼鏡、青っぽいマスクをつけていたという。警察が犯人の行方を追っている。
(テレビ宮崎)
