『令和のコメ騒動』は終わるのか。落ち着く兆しも僅かに見られるが、“売り手”である米穀店が、想定外の苦境に立たされている。
「夜逃げした業者もいる」頭を抱える米穀店
国が政府備蓄米の放出を表明してから1年。収まるかと思われたコメ価格だが、依然として5キロあたりの平均価格は4000円台と高値が続いている。

北九州市小倉北区の老舗の米穀店『梶谷米穀店』。代表の梶谷登さんは「お客さんに対して、在庫を切らせる訳にはいかない。ある程度は持っておかないといけない。その読みが想像以上に厳しかった。どうなるだろうかという。本当に不安でしょうがない」と頭を抱える。

新米の売れ行きが厳しく、在庫を捌ききれないというのだ。

2025年の秋に収穫されたコメは、2017年以降では最大の収穫量となる『豊作』だった。

しかし『令和のコメ騒動』によって業者間の集荷合戦が激化し、仕入れ値が高騰。それでも在庫を確保しようと高値で仕入れたものの、売れ行きが厳しくなり、在庫を抱えているという。

「利益率は去年よりぐっと少なくなっている、しかも在庫負担で、この1年間で商売続けられるかどうか不安になっている。かなり厳しいですね。なかには、夜逃げした業者もいる。在庫がさばききれなくて」と梶谷代表は表情を曇らせる。
“損切り”せざるを得ない状況
余剰在庫を抱えた業者がやむなく取りかかり始めているのが、赤字覚悟で値下げして売り出す“損切り”の動きだ。

『梶谷米穀店』でも、このまま在庫が余る状況が続くと“損切り”せざるを得ないという。「あまりにもコメ価格が動かない。それで、投げ売りに近いかたちで『値下げしてでも売っていこう』というかたちになっている」

「赤字になってでも売っていかないと、令和8年産の今年のコメが買える余地がなくなってしまう。資金繰りの問題もありますから、とにかく売ってしまわないといけない」と梶谷代表は、苦渋の選択の裏側を口にした。

1年経っても余波が広がり続ける『令和のコメ騒動』。生産者だけでなく、販売者も危機的な状況に追い込まれるなか、本当に安心できる日は来るのか。政府の農政は、このままでいいのか。
(テレビ西日本)
