キャップを被ってトラックを走る姿が印象的な廣中璃梨佳選手。2025年の陸上世界選手権10000m決勝では6位に入賞した。ふるさと長崎県大村市へ里帰りして、市民に感謝の気持ちを伝えた。
鳥肌が立つような大歓声!
大村市長や市の職員などの出迎えを受けたのは、長崎県大村市出身で日本郵政グループの廣中璃梨佳選手(25)だ。
廣中選手は2025年9月、陸上の世界選手権女子10000m決勝で6位入賞を果たした。
前回2023年の大会から順位を1つ上げた原動力は「会場の声援と地元から届いたメッセージだった」と振り返る。
廣中選手は「自国開催で私も世界陸上を走れるというのは競技人生のなかで最初で最後かもしれないとの思いで戦い抜いた結果、たくさんの声援やパワーが最後の最後よぎって、ねばる走り、6位入賞を勝ち取ることができた」と語った。
10000m決勝で廣中選手は残り1周で8位から一気にラストスパート。2人を抜いて自己最高の6位に浮上すると、会場の盛り上がりは最高潮に達した。
廣中選手は「鳥肌が立つような大歓声だった。それを感じながら走れたのが蓋を開けてみれば6位入賞につながったと思うので、あの大歓声がなかったら成しえなかったかもしれない」と振り返った。
地元の皆さんのパワーになれたらうれしい」
この日は母校・桜が原中学校陸上部の約20人もお祝いに駆け付けた。
1年生の山口大雅さんは「スタートラインに立ったとき緊張の和らげ方があったら教えてほしい」と質問。廣中選手は「私はいつも笑顔でいることを心がけていて、口角を上げて自分の緊張を少しでも和らげたいな」と答えた。
後輩のリクエストで色紙や陸上部のTシャツなどに快くサインをし「地元に帰ると走っているときに『廣中さん』『応援してるよ』と声をかけていただく。活躍して市民の皆さんのパワーになったらうれしい」と語った。
そして「私も最初から速かったわけではなく、コツコツ練習することで必ず報われるときが来ると思う。諦めない気持ちを忘れずに、練習に日々励んでほしい」と後輩を激励した。
「経験を得たからこその走りで、可能性を広げたい」
2024年のケガを乗り越えて世界を舞台に活躍した廣中選手は「様々な経験を得たからこそ可能性を広げたい」と語った。
廣中璃梨佳選手(25):
経験を得たからこその走りがある。もっと可能性を広げたい。7年目になる中で色んな経験を経て引き出しが増えてきたからこそ、逆に構えてしまう部分もあった。でも今年の世界選手権は去年のケガがあったからこそ吹っ切れて、のびのびいける部分があった。
そして後輩たちに「初心に戻るというかチャレンジャーとして、どんどん自分の可能性を広げていきたい。皆さんもさらに高みを目指して自分の挑戦に向かっていってほしい」とエールを送った。
復活までの道のりを糧に、よりパワーアップした廣中選手。スピードにさらに磨きをかけ「2026年のアジア選手権で金メダルを取りたい」と意気込んでいる。
(テレビ長崎)
