夏の甲子園出場。ドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団。しかし5年前に現役を引退。ところが、この元プロ野球選手が新たな輝きを放っている。中学生の軟式野球クラブをわずか2年で日本一に導いたのだ。

チーム発足わずか2年で日本一に

佐賀市にある中学生の軟式野球クラブ「佐賀IKベースボールクラブ」。

この記事の画像(15枚)

発足したのは2023年。そのわずか2年後の去年8月には全国400チームの頂点に立ち、日本一になった新進気鋭のチームだ。今年3月の全国大会にも出場が決まっている。

監督としてチームを率いるのは北方悠誠さん(32)。佐賀・唐津市出身の元プロ野球選手だ。

北方さんは2011年に唐津商業のエースとして夏の甲子園に出場。1試合目では152キロ、2試合目は153キロをマークし、甲子園を沸かせた。

ドラフト1位も4年で去ったプロ野球

剛腕のピッチャーとして注目を集め、2011年にはドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団。

しかし、制球難に苦しみ、日本のプロ野球からはわずか4年で去ることになる。

北方悠誠さん:
僕ぐらいの球速の選手はごまんといる。なかなか抑えるのが難しかった。ストライクゾーンが狭くなった。“今のボールか…今のストライクとってほしいな”というのが多くあって、真ん中しか投げるところがない状態まで精神的には追い込まれていた

その後、北方さんは独立リーグの球団を渡り歩く。2019年にはアメリカのドジャースとマイナー契約を結んだ。

しかし、目指していたメジャー昇格には届かず、5年前に現役を引退した。

自身が苦しんだマウンドでの経験を…

北方さんは現在、地元の佐賀で中学生に野球を教えている。そして中学生の軟式野球クラブ「佐賀IKベースボールクラブ」をチーム発足からわずか2年で日本一に導いた。

中学生に野球を教える思いを語る北方さん。その言葉からは自身の苦しい経験がにじむ。

北方悠誠さん:
良い経験よりも悪い経験、良くない経験の方が多い。悪くてあきらめるのは簡単なので、あきらめない子をどんどん育てたいという思いもあり、監督をしている

強気なメンタルを育てる…。その思いの裏には、現役時代に自身が苦しんだマウンド上での経験があるという。

「打たれていいから勝負しろ」

ピッチャーにかける北方さんの言葉は、現役時代に苦しんだからこそ出てくるものなのだろう。

「長打を打たれるまで勝負しろ」
「打たれていいからストライクゾーンで勝負しろ」

北方悠誠さん:
打たれたらどうしようとか、ストライク入らなかったらどうしようとか、終わったときにコーチ・先輩になんて言われるのだろうとか、考えなくて良いことを投げているときに考えていた。それだったら無心でキャッチャーのミットめがけて投げる。そのときが自分も良かった。あまり考えずに投げなさいと生徒にも言いたい

速球派の北方さんだが、子どもたちに強調するのは配球。コースや球種を細かく指導する。

北方悠誠さん:
僕に似た速球派は稀。あまりいない。早い内に配球を教えて速いボール以外でも抑えられるのを教えたい

現役引退後に輝く…新たな野球人生

甲子園やプロ野球の大舞台を経験し、地元の佐賀に帰ってきた北方さん。これからは子供たちの夢を後押しする。

北方悠誠さん:
僕しかできないことをやっていきたい。卒業してから甲子園に行けるような選手を数多く輩出したい

現役を引退した元プロ野球選手が新たな夢を抱き、再び輝きを放っている。

サガテレビ
サガテレビ

佐賀の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。