気象庁は12月9日未明、北海道・三陸沖後発地震注意情報を初めて発表した。「最悪の場合、東日本大震災のような地震が想定される」との見解を示し、今後1週間で約1%の確率でマグニチュード8以上の地震発生の可能性を指摘。対象地域では「3m以上の津波」や「震度6弱以上の揺れ」が想定され、岩手県内では沿岸部から内陸部の23市町村が含まれる。この緊急事態に備え、市民は何をすべきか、具体的な防災対応を解説する。

「後発地震注意情報」とは何か

<12月9日の会見>
気象庁 原田智史地震火山技術・調査課長:
北海道根室沖から三陸沖にかけての巨大地震の想定震源域では、新たな大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まっている。最悪のケース 3.11のような地震が起きるということを想定する。

12月9日の気象庁の会見
12月9日の気象庁の会見
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北海道・三陸沖後発地震注意情報は、北海道から岩手沖の日本海溝・千島海溝沿いでマグニチュード7以上の地震が発生した場合、このエリアでより大きな地震が発生する可能性があるとして注意を呼びかけるものである。

今回の情報では、今後1週間の間に約1%の確率でマグニチュード8以上の地震が発生する可能性があるとしている。

防災対応が求められるのは、マグニチュード9クラスの巨大地震が起きた場合「3m以上の津波」や「震度6弱以上の揺れ」が想定される地域である。

岩手県内では沿岸部のほかに盛岡市から一関市までの内陸部合わせて23市町村が対象となっている。

市民の声と戸惑い

この情報が発表されるのは、2022年12月に運用が始まって以来初めてのことであり、盛岡市内では様々な声が聞かれた。

「(後発地震注意情報を)今回初めて聞いた。防災セット的なのをしっかり用意しなきゃいけないと思った」

「大丈夫だとは思っていても突然あるので、子どもがまだ小さいので気を付けたい」

「普段のうちの備えとかをやって普段通りに過ごすつもり」

日頃の備えを再確認しよう

初めての発表で戸惑いを感じる人も多いと思われるが、どのような行動をとるべきだろうか…。

まずは日頃の備えの再確認が必要である。具体例は以下のとおりである。

・緊急情報の取得態勢の確保
・非常食の備蓄
・避難場所・避難経路の確認
・家具の固定 など

携帯電話など緊急情報を取得できる端末の音量をあげておくことや、家具が倒れないよう固定しておくことなども推奨されている。

後発地震注意情報に対する特別な備え

また後発地震注意情報の特別な備えとして以下のことも重要である。

・すぐに逃げ出せる状態で寝ること
・非常用品を常に持ち歩くこと

8日も夜中の地震だったことから、昼夜問わず速やかに避難できるような態勢を整えるべきである。

また、寒い時期であるため、手袋やマフラーなどの防寒具も用意しておくことが望ましい。

冷静な対応を心掛けることが大切

ただし、北海道・三陸沖では巨大地震が発生する可能性が普段よりは高まってはいるが、確実に起きるというわけではない。

現状で事前の避難が求められているわけではなく、内閣府では備えを行ったうえで社会経済活動を継続することを呼びかけている。

気象庁と内閣府の合同の記者会見(12月9日)
気象庁と内閣府の合同の記者会見(12月9日)

備えの意識は高めつつ、あくまで冷静な対応を心掛けることが大切である。

食料品などの過度な備蓄などはせず、落ち着いて行動することが望ましい。

岩手めんこいテレビ
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