2011年3月11日に発生した東日本大震災から15年が経とうとしている。
また山陰地方では、1月6日に島根県東部で震度5強を観測した地震から2か月が経過した。
山陰では活断層が少ないとされる一方、「布部(ふべ)断層」のほか未確認の断層が地震を引き起こす例が多く、「未知の活断層」の存在が指摘されている。
島根・松江市とその周辺にも「推定活断層」が確認され、専門家は南海トラフ地震の前後は内陸地震が増える傾向があるとして、日頃からの備えを呼びかけている。

「未知の活断層」が多く潜む可能性がある山陰地方
「未知の活断層」が多く潜む可能性がある山陰地方
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1月6日の地震が明かした新たな事実

島根・鳥取両県は、全国的に見て地震の原因となる「活断層」が少ない地域だとされているが、地震の発生回数は決して少なくない。その要因として見えてきたのが「未知の活断層」だ。
存在を知られていないだけで、大きな地震を引き起こす可能性のある断層が山陰には数多くあると専門家が警鐘を鳴らす。

M6.2 震源は島根県東部(松江情報カメラより)
M6.2 震源は島根県東部(松江情報カメラより)

2026年1月6日午前10時18分、島根県東部と鳥取県西部を中心に強い揺れが観測された。震源は島根県東部、マグニチュード6.2の地震により、松江市、安来市、境港市などで最大震度5強を記録した。

島根大学総合理工学部の向吉秀樹准教授は、地震発生から約4時間後、震源地に近い安来市広瀬町を訪れ、現地の状況を調査していた。
向吉准教授は、数十万年前以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる「活断層」などを中心に研究している。

震源地に近い安来市広瀬町の現地調査に訪れた向吉教授
震源地に近い安来市広瀬町の現地調査に訪れた向吉教授

「この土は、今回の地震で崩れた可能性があります。雪の上にあるので」と、雪に覆われた現場で地震の爪痕を確認した。

そして今回の地震を引き起こしたのは、安来市広瀬町付近の東西10キロほどに延びる「布部断層(ふべだんそう)」の一部だといち早く指摘。「一般の方であったり、一部の専門家の方の間でも知られていなかった断層になります」と話す。

布部断層付近の震央分布図
布部断層付近の震央分布図

さらに、発生した余震の震央分布図を詳しく分析すると、驚くべき事実が判明した。

「この方向の断層というのはまったく知られていなかったもので、(最初の地震に)誘発されて、未知の違う別の断層が、動いて起きた地震だと考えています」

別の断層の存在が示される
別の断層の存在が示される

布部断層と垂直方向にも震央が広がっており、一連の地震によって、これまで確認されていない別の断層の存在が示された。

山陰に潜む「未知の活断層」の正体

実は山陰地方では、過去にも未知の活断層による地震が複数発生している。2000年の鳥取県西部地震はマグニチュード7.3の大地震だったが、「この地震が発生した場所というのは、活断層がまったく知られていなかった場所になります」と向吉准教授は説明する。

山陰ではまったく知られていなかった場所で地震が発生
山陰ではまったく知られていなかった場所で地震が発生

2016年10月の鳥取県中部地震、2018年4月の島根県西部地震も、同様に未知の活断層が引き起こしたと見られている。

この背景にあるのが、山陰特有の地質構造だ。「動く速さと動く向きが違うと、間に歪みが生じるんですね。歪みがたまると、その岩盤のずれが生じやすくなりますので、地震活動が活発になりやすいです」

山陰は"ひずみ集中帯"に位置する
山陰は"ひずみ集中帯"に位置する

山陰は地殻運動による「ひずみ」が蓄積するいわゆる"ひずみ集中帯"に位置しており、断層が生まれやすく地震が多い地域だとしている。

松江市街地からわずか3キロ…推定活断層

松江市東部の和久羅山のふもとにある採石場
松江市東部の和久羅山のふもとにある採石場

松江市東部の和久羅(わくら)山のふもとにある採石場。向吉准教授が3年ほど前から調査を続けている現場だ。

採石場で確認された「推定活断層」
採石場で確認された「推定活断層」

向吉准教授は「ちょうどあの鉄塔あたりがくぼんでいるあたりに断層が通っていて、高い位置に赤い岩石があるんですが、それが鉄塔の右側にいくと20メートルほど低い位置にある。ちょうどあの間に断層がある」と現地で説明する。

向吉准教授が指摘する「推定活断層」
向吉准教授が指摘する「推定活断層」

岩肌に現れた地層が、一本の線を境に上下にずれている様子が確認できる。これは存在が推定されるものの、詳細な調査が必要な「推定活断層」と呼ばれる未知の活断層の一つだ。

和久羅断層帯の西端と松江市街地の距離を示す図
和久羅断層帯の西端と松江市街地の距離を示す図

向吉准教授らの調査により、この断層は長さ4キロの活断層であることが確認されたが、その規模や活動の歴史は詳しく分かっていない。しかし断層が延びる方向には松江市街地があり、確認できた断層の端からの距離はわずか3キロしかない。

「(詳細が)不明瞭な部分もありまして、(断層が)延長するとなると、松江市街地の方に伸びる可能性があります」と説明する。

県内に7つの未知・推定活断層が存在

活断層の研究は主に、活動による影響が大きいと予想される「主要活断層帯」の評価と、複数の活断層の地域全体での総合的評価に重点が置かれている。これに該当しない活断層は、研究者にも詳しく知られていないことが多い。

島根県内に存在する未知・推定活断層
島根県内に存在する未知・推定活断層

島根県内には、浜田市の「浜田断層帯」、大田市の「大森断層帯」、松江市の「和久羅山断層帯」など、7つの未知・推定活断層が存在するとされている。またすでに知られている「宍道断層」などの一部にも推定活断層が含まれている。

向吉准教授は「山陰でも注意が必要と」警鐘
向吉准教授は「山陰でも注意が必要と」警鐘

向吉准教授は「活断層の地図を見ると、山陰は地震に対して安全な地域という風に思われがちなんですけども、実際そうではなくて、示されている活断層が少ないからといって安心はできないと考えていただくのがいいと思います」と警鐘を鳴らす。

特に、いわゆる「南海トラフ地震」の発生前後は内陸型地震が起きやすい傾向にあり、山陰でも注意が必要だという。いつどこで起きてもおかしくない地震。「もしも」に備え、改めて日頃からの対策が重要と言える。

(TSKさんいん中央テレビ)

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TSKさんいん中央テレビ
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